出版社内容情報
ママを亡くし、おばあちゃんも亡くなった12歳の「あたし」は、一度も会ったことのない大おじさんと暮らすためシカゴへ向かう長距離列車に一人で乗りました。「あたし」はいろいろな人に出会い、家族のような時間を経験し前を向いて進んでいく決心をします。
内容説明
うそじゃないのかも。もしかして、太陽はどこかでかがやいてるのかも。家を見つける前に、家族を見つけた。
著者等紹介
モーシャー,ポール[モーシャー,ポール] [Mosier,Paul]
アメリカ合衆国アリゾナ州フェニックス生まれ。作家。二人の娘の父親。『あたしが乗った列車は進む』がデビュー作
代田亜香子[ダイタアカコ]
立教大学英米文学科卒、翻訳家。主な訳書に『ウイッシュガール』(作品社)、『世界名作シリーズ あしながおじさん』(小学館ジュニア文庫)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あたびー
39
カリフォルニアからシカゴまで、何日もかけて列車の旅をする緑の髪の「あたし」。相当辛い生い立ちのせいで人と素直に相対することができないけど、優しい心の持ち主だし、生き抜く力と知恵を持った人物だということが、狭い列車の中の限られた人々との触れ合いからも伝わってくる。彼女が嘘をついたり万引きをしたりしても見捨てずに見守ってくれる人たち、淡い初恋、ギンズバーグの詩との出会い。この先もきっと辛いことがあるだろうけれど。2024/02/28
カタコッタ
13
アメリカは広い。ひとりアムトラックに乗った緑の髪の女の子の物語。数日間のシカゴまでの旅は、言葉に出来ない悲しさを背負う主人公を12歳から13歳にし、淡い恋も経験し、持ち前の賢さで詩人としての才能を開花させる。母親の遺灰を散骨し、列車の警笛を鳴らしながら叫ぶ。ロードムービーを一本見た様な感覚。長い詩の様な小説。翻訳が見事と言わざるを得ない。YA向けだろうが、多くの年代の人に読んで貰いたい。涙涙だけでなく、そこから始まる希望が感じられる。☆5。2018/11/14
えりまき
9
いっしょに暮らしていた祖母が亡くなり、カリフォルニア州パームスプリングスからシカゴに向かう髪を緑に染めたライダーが乗った長距離列車の3日間の物語。母はドラッグ、祖母はタバコが死因。監視役のドロシア。ボウイスカウトの男の子たち。クロスワードパズルに夢中な老人。車内販売のニール。2019/07/13
らびぞう
8
アメリカ アムトラックの長距離列車に乗って、カリフォルニアのパームスプリングスからシカゴへ向かう、12歳の「あたし」。育ててくれていた祖母が亡くなり、シカゴに住み祖母の兄の元に行くこととなった。その列車内での3日間を描いている。読み進めていくと、「あたし」の生い立ちがわかってくる。また、髪の毛を緑色に染めている訳も。そうして、列車内で出会った人々によって、「あたし」に変化が訪れる。きっと大丈夫。人々の触れ合いに、胸がキュンとなる。2019/06/19
みーさん
7
12歳のあたしは監視員のドロシアと長距離列車に乗ってカリフォルニアのパームスプリングスからシカゴを目指している。こうなった背景と列車の中での出会いが交互に語られていく。作者のポール・モーシャーは本作品がデビュー作。列車に乗るのが好きとのことでアムトラックの描写が鮮やか。2019/06/15