内容説明
知り合いなどいるはずもないのに、女の子が手をふりながら茶畑の斜面をかけおりてくるのが見えた。「シュー、シューでしょ?」スリランカの茶畑で周は声をかけられた。
著者等紹介
中川なをみ[ナカガワナオミ]
山梨県生まれ。『水底の棺』(くもん出版)で日本児童文学者協会賞受賞。日本児童文学者協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆか
40
スリランカはシンハラの王様が治めていた。ポルトガル、オランダの船がやってきて少しずつ植民地に。島の全部を植民地にしたのはイギリス。紅茶を作るためインドから人を連れてくる。インドから来た人たちはタミル人。イギリスは自分たちのいうことをきくタミル人を大事にする。しかし独立した時選挙で当選したのは人数の多いシンハラ人。我慢できなくなったタミル人が暴動を起こす。それが内戦の始まり。知らない歴史でした。「知識や経験がたくさんあれば想像する力もついてくる。たくさん想像できる人は人を殺さない。悲しみが想像できるから」2016/07/23
杏子
28
第62回読書感想文課題図書高学年向け。ちょっと読むのに時間がかかった気がします。いじめ問題と国際交流はいっけん関係がないようだけど、心の垣根をこえてふれあうには同じことなのかも?スリランカのことを知ることができるのは良いと思う。2016/05/31
信兵衛
27
可愛い子には旅をさせろ、とはよく言ったものです。 祖父と共にスリランカへ赴いた周は、現地の茶畑でジャヤという少女と知り合います。そして、いろいろなことを周はジャヤから学びます。同じ子ども同士ということが、きっと伝え合うものも大きいのでしょう。2018/01/30
のり
25
課題図書。勉強ができる事を理由に仲間はずれにされる周。おじいちゃんの誘いでスリランカへ行き、同じ国の中にある根深い紛争、確執を知る。自分の知らない世界を知る事で 自分自身を見直すキッカケにもなる。経験や知識は人を強くさせると思う。2016/05/16
かもめ通信
22
学校でのいじめとスリランカの内戦をモチーフに語られる物語。「たくさん想像できる人は、人を殺さない。悲しみが想像できるから。」「スリランカの内戦を伝えたら、その人たちの想像力の助けになるかもしれない。民族の戦いを考える人に、もっともっと想像してほしい」という言葉が心にしみる。2019/06/12