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内容説明
紀元前二千年をこえた昔、美しきウルの都。その高官で裕福な商人イシビの娘サライ(サラ)は、12歳をこえて初潮をむかえた。「妻となる女の部屋」ですごした直後、自分の結婚相手が決まっていると知らされる。婚礼の日、冷たく値踏みした夫にたえきれず逃げ出したサライは、荒野へと流れつき運命の少年と出会う。さだめから逃れようと、若きゆえの無謀な行為にはしったサライ。だが、その代償はあまりにも重いものだった…。聖書に登場した女性たちの壮大な愛のドラマを描くベストセラー第2弾。
著者等紹介
アルテ,マレク[アルテ,マレク][Halter,Marek]
1936年ワルシャワにユダヤ人として生まれ、ナチスの弾圧から逃れるため、幼くしてロシア各地を転々とし、戦後はフランスに移住。作家としてはおもにユダヤの歴史と文化にまつわる小説やノンフィクションを多く手がけている。おもな作品は『モーセを愛した女』(ヴィレッジブックス)。映像作家・画家・人権保護運動家としても活躍している
藤本優子[フジモトユウコ]
フランス文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ribes triste
6
アブラムの妻サライの物語。運命に抗おうとアブラムの元へと走るが、その身に受けた呪いは永遠の若さと美貌、そして不妊。長い苦しみの後に訪れる家族の幸せ。しみじみ感動しました。2016/03/08
soran
0
実に面白く読めると同時に、深い奥行と広がりを持つ物語。訳が見事で、心地良くストーリーを味わえる。アブラハムと妻サラの物語なのだが、神の言葉を聞いて「大きな物語」を生きる夫を傍らでずっと支えるサラの女としての心情が切なすぎる。はっきり言ってアブラハムは嫌いだし、もっと嫌いなのは人を自分勝手に操るヤハウェだ。血の巫女として君臨していた多神教世界の女神サラが一神教の男性優位社会に征服される物語に読めちゃう気もしたり。2016/05/21