内容説明
太陽の街フロリダは、キューピッドに怯えていた―それは若い金髪美人ばかりを狙い、何日も被害者をいたぶったあげく、生きたまま心臓をえぐり出して殺す連続殺人鬼の名だ。捜査は難航したものの、偶然、キューピッドが捕らえられる。やり手と評判の女性検事補、C・Jが担当することになったが、法廷で犯人の声を聞いた彼女は愕然とした。それは今なお悪夢の中で響く、12年前に自分を執拗にレイプした道化師のマスクの男の声だった!この男を無罪放免にしてはならない―恐怖に震えながらも固く心に誓うC・Jだったが、次々と検察側に不利な事実が発覚しはじめ…。期待の大型新人による戦慄のサスペンス。
著者等紹介
ホフマン,ジリアン[ホフマン,ジリアン][Hoffman,Jilliane]
アメリカ、ロングアイランド育ち。セント・ジョンズ大学ロースクール在学中からクイーンズやブルックリンの検事局で検察官としての修行を積み、卒業後はフロリダの検事局で検事補となる。専門はドメスティック・バイオレンス。その後、フロリダの法執行局に移り、ジャンニ・ヴェルサーチを射殺した連続殺人犯アンドリュー・クナナンの事件もFBIやCIAと組んで調査にあたった。現在は退職して夫と2人の子どもとともにフロリダ州フォート・ローダーデイルに在住
吉田利子[ヨシダトシコ]
埼玉県生まれ。東京教育大学文学部卒業
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感想・レビュー
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GAKU
57
途中から流し読み。私には合いませんでした。本当に全国の書店員さんは熱狂したのでしょうか...........?2017/11/09
あじ
30
ロースクールに通うクローイが生死をさまよう程のレイプに遭い、犯人が捕まらぬまま12年が経った。その間クローイはC.Jと名を改め、犯人の影に怯えながらも正義感の強い検事補として活躍していた…。読み所は犯人と思われる男の事件を担当する事になったC・Jが、自分のレイプ事件を隠し裁判に関わろうとする。どこから情報が漏れるか分からない中で、必死に恐怖と倫理観の狭間で闘う彼女の執念の報復は成就するのか?ラストには絶体絶命のピンチも待っている!また、幸福とは無縁であった彼女のロマンスも見逃せない。秀作です。2013/07/08
ペトロトキシン
11
偶然にも逮捕された殺人鬼は、かつて自分をレイプした道化師マスクの男だった。検察側として対峙する主人公は……。もうこの設定だけで手に汗握る作品です。絶対にこの男を世に放ってはいけない。その想いで犯す主人公の証拠隠滅は、確かに法の正義を司る者としては許される行為ではないけど、気持ちは解らなくもない。 違法収集証拠排除法則はいかにもアメリカらしい部分。日本でもここ最近ではこの法則が適用されてるが、やっぱり日本だと警察に職質されたら具体的犯罪行為がなくても素直に従ってしまうよなぁ。2012/09/13
財布にジャック
8
これが作者のデビュー作とは・・・レイプや連続殺人という重い内容だったせいか、最初から最後まで辛いし、怖いし、凄いです。訳が不自然じゃないので、読みやすかったこともあり、一日で読めました。
bookkeeper
7
★★★☆☆ 昔買った本を再読。 理不尽な暴力で身体と心に大きな傷を負ったのち検察官となった女性が、かつて自分を襲った男と再会する。自分が追求する被告人として。利害関係者として身を引くか、自ら追求して復讐を遂げるか?自分ならどうするだろう? 心身共に執拗に追い詰められるヒロインに同情を禁じ得ない。同時に、涙にくれて、激しく痛めつけられてもなお闘おうとする強さにも心動かされる。 傑作ではないかも知れないが楽しめた。 2018/02/27