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内容説明
闇を生み、悪をはぐくむ街、クインシガモンド。その街の廃墟で、皮を剥がれ肉を切り刻まれた惨殺死体が見つかった。被害者を最後に目撃したタクシー運転手ギルレインに、その日から追っ手がかかる。連中が探しているのは、被害者が隠した一冊の書物のようだ。元刑事のギルレインゆえ、この街の暗部は知り尽くしている。しかしその彼でさえ知らない血塗られた街の記憶が、失われた稀覯本には隠されていた!書に宿った言霊が街をさまよう。その後に残された恐怖を道標に、ギルレインはふたたび街のふところに飛び込んでゆくが…。J・エルロイ絶賛の新世代ノワール。
著者等紹介
オコネル,ジャック[オコネル,ジャック][O’Connell,Jack]
1959年マサチューセッツ州ウスターで生まれる。地元ホーリー・クロス大学卒業。ウスターで保険業と不動産業を営むかたわら執筆活動をはじめる。1992年、『私書箱9号』(早川書房)が第一回ミステリアス・プレス・コンテスト最優秀作に選ばれデビュー、文学性のあるパワフルな文章で高い評価を受ける
浜野アキオ[ハマノアキオ]
1961年生まれ。京都大学文学部卒業。翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hikarunoir
12
ノワールという感じはしない、呪文的文体と密度。架空の土地ゆえ、多発する猟奇殺人、警察内部の腐敗まで、まるで供物かのようにオカルティックで、世界観理解にはSF的に前のめりさが必要な作品。暴力的閉塞感、限定空間ジャンルとの近似性も感じる。恐らく、本書はもとより、作品内に登場する稀覯本が、世界の全てを本に書き込む意図を持つもので、それはインスピレーションとしてボルヘスを想起するからだろう。エルロイが本書をどう好んだか不明だが、近年の作品からその偏執性が、好きそうな印象は受ける。2006/03/21
Ai
10
ハードボイルドをオカルトで包み込む。作者が伝えたいのは物語の展開でなく、クインシガモンドの猥雑な闇の深さ。話が拡散して、読みにくいが独特の雰囲気を醸し出している。物語の争点になる、ある奇書の出自が強烈だった。世界観はほんと好きなんだけど、とにかく読みづらい…。2021/08/26
水戸
2
しょっぱなから猟奇的。そして、ハードボイルドでもあり、ミステリーでもあり……てか、残虐すごい……少しずつ物語が絡みながら進んでいくから、はじめは少し戸惑いました。けっこうショッキングであったり、グロテスクなシーンが多いので、苦手な方は要注意です。すごく不思議というか、現実的な気配があるのに浮世離れしているというか、リアルファンタジー⁈ で、ミステリー。感覚で受け止めろ! て、感じでした。2018/12/05
longscale
1
面白かったのだが、次は出なかった。「私書箱9号」は見つからず。
ムッシュ
0
★★☆☆☆2009/03/21
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- さよなら私 角川文庫