内容説明
沖縄返還を達成し、ノーベル平和賞に輝く非凡なる凡人宰相。コンプレックスのかたまり栄作少年が、総理にまで昇りつめ、政権保持の最長不倒記録を樹てた生涯の軌跡をたどり、新たな光をあててその人間像と業績を再評価する。
目次
第1章 生い立ち(田布施の佐藤家;立派な兄貴を持つと損)
第2章 門司鉄道局時代(駅長栄作;洋右と栄作)
第3章 本省時代(岸柳会;大阪鉄道局長へ)
第4章 政治の世界へ(西尾の誘い;池田と栄作)
第5章 総理への道(鳩山に与せず;総理信介を佐けて)
第6章 宰相栄作(高度成長と福祉;沖縄返還)
第7章 落暉
おわりに この非凡なる凡人
感想・レビュー
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Ikkoku-Kan Is Forever..!!
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『佐藤栄作日記』を読む前提で読んだ。子供の頃は岸兄の方がモテたというのは意外でふいた。本当は『正伝 佐藤栄作』を読みたかったのだけど、貸出中だったのでやむを得ず。でも実際『佐藤栄作日記』読んでても、ちょいちょいクスっとするようなところもあって、割と佐藤の人柄みたいなものも垣間見れる。個別の政策、事柄等疑問点は『楠田実日記』を併用しつつ、個別に専門書を読むしかないけれど、日米繊維交渉については割とまとまった本が見当たらず、キッシンジャーとかの個別の史料をみるか新聞と日記を併用で地道に見てる。誰か文献教えて。2012/01/21
ケンサン
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1974年10月8日ノーベル平和賞の第一報。①佐藤内閣時代の協調外交②友好裡に沖縄·小笠原の施政権返還に成功せしめた対米交渉③非核三原則の重要性。傲慢な官房長官、汚職政治家、腹黒い権謀家、反動、対米従属、戦争協力者、何を考えているのかわからない男、等々。米ソ冷戦、中台韓との外交等、狂瀾怒濤の時代、決して平坦でない茨道を駆け抜ける。著者曰く『非凡なる凡人』大学紛争の血と泥にまみれた内ゲバ、外ゲバと万博、新幹線等、戦後民主主義や高度成長のコントラスト。頑固で慎重かつ筋を通す、啐啄同機、時代に応じた総理…2023/02/04