出版社内容情報
アウシュビッツで囚人によって撮影され、奇跡的に外部に届けられた4枚の写真をもとに描かれたリヒターの≪ビルケナウ≫。白紙状態のキャンバスから完成までを伴走した著者が改めてその謎の意義を問うべく作家に宛てた四つの書簡。巻頭カラー8頁。
内容説明
絶滅収容所でもぎ取られ、奇跡的に外部へと届けられた4枚「恐ろしい」写真は、“ビルケナウ”の中でどのようにして生き延びているか―アウシュビッツ=ビルケナウ収容所で、ひとりのゾンダーコマンドによって撮影された写真をもとに描かれた“ビルケナウ”。アトリエで途方に暮れながらも作家を挑発し続けた4枚の空白のカンヴァスと、計画の外へと「絵画」が踏み出そうとするプロセスを凝視した哲学者が、抽象化され、同時に巻き込まれてあるその作品の謎に、書簡形式で迫る。私たちの内なる暗黒面は、いかにして克服されるか、否か。
目次
1 第1の手紙 計画の外へ
2 第2の手紙 絵画がアポリアに直面するとき
3 第3の手紙 計画の外へ(2)
4 第4の手紙 樹皮の形成
著者等紹介
ディディ=ユベルマン,ジョルジュ[ディディユベルマン,ジョルジュ] [Didi‐Huberman,George]
1953年サン=テティエンヌ生まれ。哲学者、美術史家。リヨン大学で哲学と美術史を修め、パリ社会科学高等研究院で博士号取得、パリ第七大学教壇等を経て、1990年以降、社会科学高等研究院で美術史講義を行う
西野路代[ニシノミチヨ]
1971年生まれ。ドイツ文学専攻。東京都立大学大学院人文科学研究科独文学専攻博士後期課程単位取得。現在、東京都立大学客員研究員および東京都立大学人文社会学部、大妻女子大学比較文化学部、フェリス女学院大学国際交流学部非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。