出版社内容情報
「共生」「多様性」「尊重」、そんなふわふわした言葉が隠してしまうこと―「ふつう/障害」について、なかなか聞けなかったこと、本当はよくわからないことを全盲の社会学者と真正面から考える。
帯・推薦文=國分功一郎
内容説明
共生、インクルージョン、多様性の尊重。いいことば、大切なことばだってわかる。そうなったらいいな、っても、そうはいっても難しそう…とも正直、思う。「ちがい」ってなんだろう?「ふつう」ってなんだろう?全盲の社会学者と楽しく、正直に、ゼロからひとつずつ考えて、世界を少しずつ、思い切り自由に広げていこう。
目次
第1章 ふわふわとしたことばが隠してしまうもの
第2章 誰にとっての「ふつう」なの?
第3章 どっちつかずである生きにくさ
第4章 「わからない」からはじめる
第5章 簡単であり、難しくもあること
追補 アイデンティティ、大切だけどやっかいなもの
著者等紹介
倉本智明[クラモトトモアキ]
1963年、大阪府生まれ。大阪府立大学大学院社会福祉学研究科博士後期課程単位取得退学。関西大学、関西学院大学非常勤講師を経て、2012年3月まで、東京大学大学院経済学研究科特任講師を務める。障害という側面から社会を分析し、そのしくみを問うていく「障害学」をフィールドとして執筆を続けている。20代前半までを弱視者として過ごし、現在は全盲だが、主夫の経験を活かして家事全般をこなす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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zero1
38
👁️本書は視覚障害者の視点で書かれている。【共生】とは?弱視の子が野球する際の特別ルールと【不完全な関係】。駅のホームから落ちる恐怖と件数の多さ。つらさと社会、普通の意味。👁️全盲より弱視の方が不便な場合。障害者を理解するとは?【分からないことを理解する】意味。👁️今まで読んできた本を思い出した(後述)。👁️健常者は何を理解し、障害者に何が出来るか。出発点は【分からない】。点字ブロックや駅のホームドアなど何を【当たり前】とするか。社会認識が求められる。ナイスがゼロでも、こうした本を紹介したい。2025/03/21
なま
7
★3.5 著者は20代迄弱視者と過ごすが、現在は全盲。障害という側面から社会分析し、その仕組みを問う「障害学」分野で執筆。タイトルの回答として自身の経験、思考から社会や環境、個々の人間の関わりで「普通」は変わると再認識させる。障害に限らずマイノリティの理解の難しさ。多数の人に影響がなく認知が進まず声が届かない、結果改善もされないスパイラル。資金力、マンパワーも衰退する日本でメディアと社会を変える仕組み(国会)が要。当事者理解の為に「名もなき家事」の様に障害での困難を一目で万人に認知する工夫ができないものか2025/02/22