出版社内容情報
[]
編集
内容説明
発表から四半世紀経た今なお、世代を超えて多くのクリエイターと読者たちを魅了し、刺激する、岡崎京子の代表作『リバーズ・エッジ』をめぐる、眩暈のような、儚く、強靱な33の断片たち。唯一無二の永久保存版。
目次
最果タヒ―リバーズ・エッジ
山形浩生―まだ見えない「平坦な戦場」としての日常―または、岡崎京子許すまじ。
玉城ティナ―僕らは、パチンとはじけてしまわないように生きてる
環ROY―ある均しさ
滝口悠生―リバーズ・エッジの風景
千木良悠子―あの時の分岐点
奈良美智―僕たちの心は血まみれで、そこに立ち尽くしている
辻村深月―あの町は、私の住むここだった
長島有里枝―シリアスさという戦術
仲俣暁生―平坦な戦場に閉じ込められたままの「王女」たちのために〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
吉田あや
60
奈良美智、辻村深月、浅野いにお、ブレディみかこ、佐々木敦、池田エライザ、山内マリコ、小沢健二、二階堂ふみ、祖父江慎、宇川直宏、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、などなど豪華すぎる執筆者揃いで語られる、それぞれのリバーズ・エッジ。みんなの「あの頃」や岡崎さんとの思い出話も満載で読めて本当によかった。ケラさんが語る岡崎さんのエピソードで、その昔筋少のコーラスガールに岡崎さんが応募して歌っていたという話や、マサ子さんのVoマユタンが岡崎さんのアシスタントさんをしていたなんて(⇒)2021/08/27
ぐうぐう
25
『リバーズ・エッジ』。それは、特別な岡崎京子の漫画の中でも、さらに特別な作品だ。バブルが弾けたあとの、阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件が起こる前の、そんな谷間である1993年から1994年に描かれた物語。一見、何もない、実感が湧かない、そんな谷間の時代を象徴させるのに、岡崎京子はセイタカアワダチソウが茂る河原を設定する。その何もない河原に誰にも見つからずに朽ち果てた死体が、唯一の実感として配置されている。刊行時、『リバーズ・エッジ』を読んだときのことを振り返り、辻村深月をして(つづく)2018/02/24
月をみるもの
12
きょねん、映画になってたとは知らなんだ。。予告編見ただけだけど、フォーゼでメテオ役やってて、今は朝ドラに出てる彼が演じる山田くんはかなりいい感じであった。2019/05/18
Shimaneko
12
あの事故がなければ単なる通過点であり、多作な彼女の傑作のひとつに過ぎなかったであろうこの作品が、過剰なまでに突出して評価される事自体に複雑な思いを禁じ得ない自分としては、同意見のファンが少なからずいることに救われる。初期の「躁的に饒舌でシニカルな」「ヤング・マーブル・ジャイアンツ的なタッチ」も大好きだったから、「エグくてシリアスなストーリーテラーとして語り継ぐことだけは避けよう」(p.88) という姿勢に激しく共感。ついでに彼女の近況もちょろっとだけ知れて嬉しかったよ。2018/04/04
wasabi
3
山形浩生目当ての人はサイトにアップしてる原稿の再録なので注意。90年代に囚われたままの人らのろくでもない思い出話から「今だったら観音崎くんはネトウヨになってるはず」と見当はずれな差別問題を論じる社会学者など微妙な執筆者たちの中で、確実に「今」を書いているプレイディみかこと大島智子が光ってる。2018/02/25