内容説明
暴力装置としての本質論を離れて、文化とメディアのまなざしから初めてとらえた米軍基地の相貌。怒涛のごとく進行したアメリカナイゼーションの陰で、文芸・音楽などのポピュラーカルチャーのミクロな生成と浸透、基地を資源に読み替えるローカルな実践、日米のはざまで翻弄されつづける沖縄(辺野古)の経験が堆積してきた。クロニクル風叙述を通して、日・米・沖縄のねじれた関係性が生んだ基地文化の奔流と変容に迫る。
目次
序章 基地文化という視座
第1章 偏在する基地/遍在するアメリカ
第2章 米軍キャンプ・アメリカ・歌謡曲―戦後ポピュラー音楽のひとつの系譜
第3章 ロックンロールの場所―米軍基地から地元へ
第4章 米軍駐留がフィリピンにもたらしたジャズ―越境する親米感覚の生成と変容
第5章 地域社会における米軍基地の文化的な意味―「基地の街」福生・横須賀の変遷
第6章 沖縄の本土復帰運動と戦争体験論の変容
第7章 「アメ女」のセクシュアリティ―沖縄米軍基地問題と資源としての「女性」性問題の所在‐コンタクト・ゾーンとしての沖縄
第8章 米軍基地を受け入れる論理―キャンプ・シュワブと辺野古社会の変貌
著者等紹介
難波功士[ナンバコウジ]
東京大学大学院社会学研究科修士課程修了、博士(社会学)関西学院大学。現在、関西学院大学社会学部教授。専攻はメディア史・広告論・文化社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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