内容説明
現代日本の文学には、宮部みゆき、村上春樹、梨木香歩など、主人公の心の闇や影の部分を描いたファンタジーが多い。「母親からの分離」をキーワードに、前エディプス期の精神分析理論を通して、かれらの作品の真の意味を読み解く。
目次
序章 前エディプス期の心の世界と文学研究(精神分析的文学研究と前エディプス期の理論;母親から分離する不安を「抱える」プロセス)
第1章 精神内界的「幻界」の旅―宮部みゆき『ブレイブ・ストーリー』(ワタルとミツルの投影同一化と迫害的な分身;「悪」の統合と第三項)
第2章 失われたものと取り戻せるもの―村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(分裂した世界と包容的・迫害的対象;登場人物の対話と第三項)
第3章 傷ついた心と影の統合(少年たちの心の絆と分離―『龍は眠る』『鉄コン筋クリート』『少年アリス』;心の「傷」と向き合う少女―梨木香歩『裏庭』)
著者等紹介
田中雅史[タナカマサシ]
1964年、東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程満期退学。比較文学専攻。現在、甲南大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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