内容説明
寝こんでいる若旦那が心にかかって忘れられないもの。それは…、つやつやとして、やわらかで、キメこまやかで、ふっくらとしていて、かおりのいい…、そう、みかん!!それならお安い御用と、笑顔でうけあった番頭さんでしたが…。「ああっ…やばいっ…!!」顔面蒼白!絶体絶命!心乱れる番頭さんが、たどり着いたのは?!
著者等紹介
野村たかあき[ノムラタカアキ]
1949年前橋市生まれ。1983年に木彫・木版画工房「でくの房」を開く。『ばあちゃんのえんがわ』で第五回講談社絵本新人賞を、『おじいちゃんのまち』で第十三回絵本にっぽん賞を受賞
柳家小三治[ヤナギヤコサンジ]
1939年東京都生まれ。落語家。5代目柳家小さんに入門し、1969年真打に昇進、10代目柳家小三治襲名。2010年より落語協会会長をつとめ、顧問に。2014年重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
78
人間国宝・柳家小三治の「千両みかん」の絵本です。 長患いの若旦那、薬もあまり効きません。その若旦那が"みかん"が食べたいと言い出しました、夏の盛りにです。安請け合いをしてしまった番頭さん、江戸中を探し回ります。それが落語らしいやり取りの連続で、楽しみませてくれます。 最後に見つけたみかんの値段が、目が飛び出るほどの高額で・・・ 千両って、今の値段で約1億円。そりゃ、番頭さんも血迷ってしまいますよ。 このシリーズは版画が素晴らしいです。建築物や着物にも江戸の風情が感じられる版画です。2024/07/14
まま
46
落語絵本だけど、大笑いは出来なかったなぁ💦 最後の番頭さん・・・うーん、なんか胸につかえるものが・・・。2020/12/19
chiaki
29
口を開けば死ぬとばかり言う病床の若旦那。その若旦那の胸につかえた想いを聞いた番頭さんは、死に物狂いでみかんを求め彷徨う!なんて価値の高いみかん!!!笑 でもオチはこれでいいの~?笑 番頭さんも番頭さんである前に1人の人間だもんね、素性見ちゃったなー。笑2020/09/06
Cinejazz
27
〝大店の若旦那を診た、江戸一番と評判の名医が「あの病人は、山ほど薬を飲ませたところで治らない。なにか胸につかえているものがあって、それを落としてやれば、すっかり元の体に戻る」・・・大旦那に頼まれた番頭が、若旦那から聞き出したのは「蜜柑。蜜柑が食べたい―!」・・・大旦那いわく「番頭さん、いま、何月だと思ってる? この夏のいちばん暑い盛りに、いったい蜜柑が何処にあるんだい」・・・みかん問屋で見つかった蜜柑一つが、千両(約1億円)だった!?・・・ 〟いくら、なんでも高すぎる…長年こつこつ働いてきた番頭さんが↓2024/04/07
ケ・セラ・セラ
21
困った、困った、大変なことになってしまった。床にふせっていた若旦那の願いが「みかんが食べたい」と聞き、夏の盛りというのに請け負ってしまった番頭。江戸中を探しまわり、ようやく見つけたみかん問屋にあったたった一つのみかんはなんと千両。我が子のためなら千両も惜しくない主人と、番頭が一生勤めても手にすることがないであろう千両。なるほどねーのオチ。子どもにわかるかなぁ。落語絵本。2022/10/12
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