信頼感の発達心理学―思春期から老年期に至るまで

信頼感の発達心理学―思春期から老年期に至るまで

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  • サイズ A5判/ページ数 176p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784788507531
  • NDC分類 143
  • Cコード C1011

出版社内容情報

 いじめや殺人、あるいは援助交際等など、青少年の問題行動の背後には、自己や他者への信頼感の欠如、不信があるといわれます。では、信頼感とは何か、それを形成する心理的因子は何か、それはどのような条件の下で発達し、強化され、あるいは不信へと転化、阻害されるのか。精緻に設計された調査、データの綿密な分析によってこれらの問いに実証的に答え、そこから、信頼感の発達をいかに援助すべきかを提言します。重視されながら研究の乏しかった、思春期以後における信頼感の発達と真っ向から取り組んだ新鮮な研究です。

 従来、信頼感の問題は、乳幼児期の母子関係を中心とした視点から、また児童期においてはある人の行動を「信じるか信じないか」というような社会的信用の視点からしかとりあげられなかった。
 しかし、最近では、信頼感の研究は、人々の精神的健康を高め維持する効果や、ストレス耐性の強いパーソナリティとの関連という視点でとらえられるようになってきた。また、信頼感の獲得は、青年期におけるカウンセリングで特に必要とされることも指摘されている(e.g.Mitchell,1990)・・・・・・
 本書はこの信頼感という概念について、その意味を探り、我々のこころなかでの信頼感の位置づけと人の生涯にわたる位置づけを解明しながら、信頼感を自分自身で形作っていける要因について、明らかにしていこうとするものである。(本文より)

内容説明

どんな人でも、人を信じたいという気持ちがどこかにあるのではないか。他人というよりも、実際は他人を信じることができない自分自身に対して、信頼感をもてなくなってきているのが今の世の中なのではないだろうか。自分を信じられない、自分を大事に思えないという不安や苛立ちこそが、今、私たちのこころの奥底に深く根を張っている、そのものなのではないだろうか。では、人や自分を信じるというのはどういうことか?誰かを信じる強さというものがあるのなら、それはどのように発達していくのか?また、傷ついてしまった信頼感があるとすれば、それはどうやったら回復に向かうことができるのか?本研究は平成10年3月に筑波大学で博士(心理学)号を取得した論文「思春期以降における信頼感の発達」をもとに、補章「幼児期における信頼感の発達」を加筆し、まとめたものです。

目次

第1章 信頼感とは
第2章 信頼感尺度の作成
第3章 信頼感と他の心理的特性との関連
第4章 横断的にみた信頼感の発達
第5章 信頼感の発達に影響を及ぼしている要因
第6章 信頼感の発達モデルの作成
第7章(補章) 幼児期における信頼感の発達

著者等紹介

天貝由美子[アマガイユミコ]
茨城県に生まれる。筑波大学大学院心理学研究科(博士課程)修了。日本学術振興会特別研究員を経て、現在、大阪教育大学教育学部講師。臨床心理士。専門は発達心理学・臨床心理学。著書に『乳幼児のこころと発達(1)(2)(3)』(共著、大日本図書)、『発達臨床教育相談マニュアル』(共著、川島書店)、『心理学ワールド入門』(共著、福村出版)、『発達臨床心理学最前線』(共著、教育出版)
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