出版社内容情報
もっと住民投票を、直接民主政の挑戦が始まった。技術的問題をどう克服するか。第二のヒトラー誕生の危険はないか。政党の役割はどうなるか。正当性の危機に瀕している日本の政治を変革する上でも見逃せない、イギリス政治学の周到な議論。
直接民主政の新たな挑戦は、それがいまでは技術的に可能であるという驚くべき事実に基づくものである。インタラクティブ(双方向的)なコミュニケーション・ネットに接続している人なら誰でも、いまでは公共政策について論じたり投票したりすることができる。そうしたネットは世界中に広がりつつあるから、彼らはどんな国の市民とでも、容易に議論を行うことができるのである。これによって、直接民主政を叩きのめすのに従来用いられてきた致命的な議論、すなわち近代の大衆社会で公共政策を論じるために市民を集めるは実際的ではないという議論は粉砕される。電子的なコミュニケーション手段の存在が意味するのは、物理的な近さがもはや必要でないということである。(「序」より)
・「大衆の意志決定への参加を可能にするにはどういう制度的な準備が必要か、どう理論的に擁護できるのかを詳述している。政党の位置づけなど、今後の民主主義の行方を考える上で示唆に富む。」(日本経済新聞 ・「短評」2000.2.10)
・「週刊金曜日」 2000.2.11
・朝日新聞夕刊 2000.2.26 紹介「探検キーワード、民意」
・「図書新聞」2000.5.27 向山恭一氏評
内容説明
病める政党政治をいかに改革するか?市民が政治に直接参加する道が大きく開かれつつある今直接民主政の新たな挑戦が始まる。
目次
第1章 大衆参加とその実現可能性
第2章 直接民主政と代表民主政
第3章 新旧の批判への新たな回答
第4章 現実の参加
第5章 直接民主政における市民と政党
第6章 構造的な問題と制約
第7章 民主的レトリックから現実の直接民主政へ