「わかる」のしくみ―「わかったつもり」からの脱出

「わかる」のしくみ―「わかったつもり」からの脱出

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  • サイズ B6判/ページ数 187,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784788506077
  • NDC分類 371.4
  • Cコード C1011

出版社内容情報

 マゴの手は,孫の手ではない! わかったつもりが真の理解を妨げ,しばしば学習挫折の原因となる。主として文章理解にかかわる誤解の実例をあげて「わかったつもり」から本当の「わかる」に至る筋道を懇切に説く。『間違いだらけの学習論』の姉妹編。

 われわれは、学習を効果的に進め、理解を深め、研究を滞りなく進めたい願っています。すなわち、認識を進展させたいと思っています。ですから、認識の進展を妨げる要因があれば、それに対処したいと考えるでしょう。そのとき、妨げる要因に、種類の異なるものがあれば、その種類に合わせた対応をとえらなければならないのです。
 たとえば、ある現象を記述するのに必要な数学を「わかっていない」のであれば、微分方程式などの学習という対応をしなければなりません。しかし、ある種の「思い込み」などで、その現象に対して、「わかったつもり」の状態にあれば、その状態の不十分さに気づくことから始めなければならないでしょう。そうでなければ、有効な対応は可能ではありません。(本文より)

 ・「中学教育」97.11月号、新井郁男氏評
 ・「授業づくりネットワーク」97.10月号、森脇健夫氏評
 ・「IEレビュー」98年、坂爪裕氏評

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 【関連書籍】
 『 自閉症 』 藤居学、神谷栄治著 (定価1995円 2007.5月)
 『 ごまかし勉強 上・下 』 藤澤伸介著 (定価各1890円 2000)
 『 人を伸ばす力 』 デシ、フラスト著 (定価2520円 1999)

 【書物復権 2007】
 『 日常生活の認知行動 』 J・レイヴ著 (定価3780円 初版1995を復刊)

内容説明

「わかったつもり」がつまずきのもと。「わかった」という思いこみが理解を妨げている―最新の学習理論が教える、「わかったつもり」からの大脱出。

目次

第1章 「わかったつもり」を問題にする理由
第2章 読むということ
第3章 「わかったつもり」の原因
第4章 「わかったつもり」からの脱出
第5章 認識を進展させるには

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とよぽん

21
筆者は東工大理工学部出身ながら、宮城教育大学で教育学の教授として、学習者の「わかる」ということの研究成果をまとめている。教育、特に国語科教育の文章読解に絞った研究だと思う。「わかったつもり」の安定状態を、具体的な読みの促進によって「よりわかった」状態に移行する・・・それこそが国語の授業でやるべきことだと膝を打った。2学期以降の授業を、変えてみよう。2018/08/04

デビっちん

17
わかったと思っても、誰かの質問・ツッコミに答えを窮し、改めて読んでみると、そういうことか!、となった経験があるのではないでしょうか?本書は、「わかる」と「わかったつもり」を区別して、なぜそうなるのか、そして、その状態にどう気づき、どうやって解決すればいいかを解説してくれています。その解は、部分の意味を変化させること、統一的な文脈の探索、この2つを意識して、安定状態を一度壊し、再構築する必要があります。+今読んだその単語、文脈に違和感があるとしたら?2017/02/02

ボタもち

2
「わかった」がどういった状態なのか真面目に考えているところが哲学っぽくて面白かったです。文脈や読み手の知識によって文章から読み取られる意味が違ってくるとのことでしたが、私は何も考えずに読んでるから細かな部分に気づかずどんどん文章が頭から抜けていくんでしょうね。第3章の矛盾を含んだ例文についても1つも気がつきませんでした。2017/11/10

harass

2
「わかる」「わかったつもり(だった)」を区別してその解決手段を説明してくれる。教育心理学の話だが文章の読みかたで正しく読むための方法や何が妨害するのかを実験例や例文で説明。「読むこと」という行為が無意識にもダイナミックな思考を駆使している事がわかる。ミステリー小説のミスリードや先入観をつかって読書を騙すテクニックのやりかたに応用できるかと読んでいて思った。最後でパポーの名前がでてくると驚いた。たしかに正しく読めるということは、『科学的真理』に連なるものだからだ。2012/07/22

ぐりにゃる

2
わかったつもりとわかるの間には大きな隔たりがあること、そしてそれは中々気付きにくい。文脈や前知識の如何でどうとでも解釈できるという話は面白かった。叙述トリックの小説が好きな人はうんうん唸るかもしれない。ただ、後半の国語教育に対する主張はこの本で述べることでないように思う。面白く読めていたのに水を刺されたようで、そこは不満だった。2012/06/07

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