単一民族神話の起源―「日本人」の自画像の系譜

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単一民族神話の起源―「日本人」の自画像の系譜

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  • サイズ B6判/ページ数 450,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784788505285
  • NDC分類 210
  • Cコード C1030

出版社内容情報

 サントリー学芸賞受賞
 大日本帝国時代から戦後にかけて,「日本人」の支配的な自画像といわれる単一民族神話が,いつ,どのように発生したか。民族の純血意識,均質な国民国家志向,異民族への差別や排斥など,民族というアイデンティティをめぐる膨大な言説の系譜と分析。

 ここでわれわれは、まず二つの事実を確認しなければならない。一つは戦前の大日本帝国は、多民族国家であったということである。
 今日では忘れられがちなことだが、一八九五年に台湾を、一九一〇年に朝鮮を併合していらい、総人口の三割におよぶ非日系人が臣民としてこの帝国に包含されていた。戦時中の「進め一億火の玉」という名高いスローガンにうたわれた「一億」とは、朝鮮や台湾を含めた帝国の総人口であり、当時のいわゆる内地人口は七千万ほどにすぎない。(本文より)

序 章
 問いの設定/「単一民族神話」の定義/社会学と歴史学
第一部 「開国」の思想
 第1章 日本民族論の発生―モース・シーボルト・小野梓ほか
 欧米人学者の日本民族論/日本の人類学と欧米人学者への反発/ナショナリズムの二つのかたち
 第2章 内地雑居論争―田口卯吉・井上哲次郎
 モデルとしてのアメリカ合衆国/海外進出は不可能/「日本国民の同化力」
 第3章 国体論とキリスト教―穂積八束・加藤弘之・内村鑑三・高山樗牛ほか
 国体論の隆盛/キリスト教系知識人の反論/同化政策か純血維持か/追いつめられる国体論
 第4章 人類学者たち―坪井正五郎ほか
 純血論への批判/世界への進出
 第5章 日鮮同祖論―久米邦武・竹越与三郎・山路愛山・徳富蘇峰・大隈重信ほか
 天皇家朝鮮渡来説/「島国根性」と「南種北種」/「故郷」への進出
 第6章 日韓併合
 新聞での論調/主要雑誌の論調/国体論者の転向
第二部 「帝国」の思想
 第7章 「差別解消」の歴史学―喜田貞吉
 被差別者への共感/差別解消としての同化/「四方の海は皆同胞である」
 第8章 国体論への再編成―国体論者の民族論
 国体論の混乱/混合民族論のとりこみ/「養子」としての異民族/「開かれた血族団体」
 第9章 民族自決と境界―鳥居龍三・北一輝・国定教科書ほか
 民族自決論の中和/鳥居龍蔵の日本民族起源論/教科書の変遷/「朝鮮人の名を前部日本名に変ずべし」
 第10章 日本民族白人説―ギリシア起源説・ユダヤ起源説ほか
 「落胤」としての日本民族/あるボランティア
 第11章 「血の帰一」-高群逸枝
 詩人から古代史へ/母系性と異民族同化/「世界の家族化」
第三部 「島国」の思想
 第12章 島国民俗学の誕生―柳田国男
 先住異民族としての「山人」/「山国」から「島国」へ/国民統合としての民俗学/「有りもせぬ全体」
 第13章 皇民化対優生学―朝鮮総督府・日本民族衛生協会・厚生研究所ほか
 純血な島国/皇民化政策を支える混合民族論/厚生省と優生学系勢力/純血と総動員の矛盾/単一民族人類説の台頭/「混血ニ対スル処置ヲ講ズベシ」
 第14章 記紀神話の蘇生―白鳥庫吉・津田左右吉
 大陸の分裂・島国の団結/記紀は史実ではない/単一民族の記紀解釈/権力支配としての中国/権力無き天皇国家
 第15章 「血」から「風土」へ―和辻哲郎
 北種と南種の総合/自然児の世界/複合的な単一風土/国境をこえない天皇制
 第16章 帝国の崩壊―大川周明・津田裁判ほか
 戦時期の混合民族論/純血論の台頭/ダブルバインド状態
 第17章 神話の定着―象徴天皇制論・明石原人説ほか
 農業民の世界/国民統合の象徴/明石原人説/単一民族論に傾く戦後歴史学/受容されなかった騎馬民族渡来説/忘却された混合民族論
結 論
 社会学における同化主義と人種主義/「日本人」概念について/近接地域・同人種内の接触/家族制度の反映/保守系論者の単一民族論批判/神話からの脱却
あとがき

 ・「ダ・ヴィンチ」97.12月号 特集「マンガ狂いにつける薬」呉 智英氏
 ・「第18回サントリー学芸賞」96.11.6 青木 保氏評
 ・産経新聞 97.2.3 イアン・アーシ-氏評
 ・「日本史研究」97.1月 冨山一郎氏評
 ・「SPA!」96.10.30
 ・「頓智」96.3月 井上章一氏評
 ・「日本歴史」96.2月
 ・「エコノミスト」95.12.5 川田 稔氏評
 ・朝日新聞 95.10.22 「近刊 私の収穫」小松和彦氏
 ・「図書新聞」95.9.30 鵜飼 哲氏評
 ・朝日新聞 95.8.20 長尾龍一氏評
 ・産経新聞 95.8.10 山中速人氏評
 ・「Japan Mail Media」99.6.7、14 村上 龍
 ・朝日新聞 99.9.12 「三省堂書店神田本店のベスト10、人文書8/30-9/5」
 ・「花椿(資生堂企業文化部」)2001.1月号 特集「後藤繁雄・小熊英二 五感交感第二十五回」

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 【関連書籍】
 『 対話の回路 小熊英二対談集 』 小熊英二著 (定価2940円 2005)
 『 戦争が遺したもの 』 鶴見俊輔・上野千鶴子・小熊英二著 (定価2940円 2004)
 『 〈朝鮮〉表象の文化史 』 中根隆行著 (定価3885円 2004)

内容説明

民族というアイデンティティをめぐる考察。多民族帝国であった大日本帝国から、単一民族神話の戦後日本へ。台湾侵略から100年、戦後50年のいま、明治から戦後までの日本民族についての言説を集大成。

目次

第1部 「開国」の思想(日本民族論の発生;内地雑居論争 ほか)
第2部 「帝国」の思想(「差別解消」の歴史学;国体論の再編成 ほか)
第3部 「島国」の思想(島国民俗学の誕生;皇民化対優生学 ほか)

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きいち

24
「日本は単一民族による国家」という認識は戦後のもの、戦前の日本は多民族国家であるため(「進め一億火の玉」の一億には朝鮮・台湾の人口も含む、とは驚かされる)混合民族起源説が主流だったことを丁寧に追究・・だがこの本は、そこにはとどまらず普遍性の高い指摘にあふれている。◇例えば、差別解消を願い行動していた喜田貞吉や坪井正五郎が良心的に生み出したものが逆に抑圧を促してしまう構造(リビングストンとかもそうだよな)。その罠にはまらぬためには、柳田や津田のように、仲間の少なさにめげず、詩は詩と峻別する強さが必要なのだ。2014/05/12

ハチアカデミー

17
戦前から「日本人は単一民族である」と言われてきた訳ではなく、政治状況によって混合民族説とヘゲモニー争いをしていて、植民地がアジアに広がった頃には、むしろ混合民族説の方が優位であった。中国人、朝鮮人も家族として「日本人」と見なすためには、法律だけでなくそれを支える論理が必要。そして学者が時流を支える為の論理を作り出す(自覚がなくとも)。歴史学の手法だけでは、「かつては混合民族説が優位だった」という結論で終わってしまう。そこに社会学の目が入るからこそ、学説誕生の構造を鋭く指摘することが出来ている。2014/01/16

ジュン

12
「マイノリティの擁護のため生み出されたものが、結果として侵略の論理となるという悲劇があらわれている」 進歩のナショナリズムが、後に抑圧のナショナリズムになるという矛盾は衝撃だ。 「異なる者と共存するのに、神話は必要ない。 必要なものは、少しばかりの強さと、叡智である」 個人レベルではともかく、国というバックグラウンドを背負っての健全な相互関係を模索する上で、これほど示唆的な言葉はない。2016/02/22

風見草

9
巷では「現代の価値観で断罪するな」という言い草があるが、小熊があとがきで戦前は単一民族説が主流でなかったのは意外と記したように、「当時の価値観」は意外と分からないものだと思った。また、一見リベラルに見える混合民族説が同化政策に直結したとか、津田左右吉や柳田国男が単一民族説ゆえに同化政策に与しなかったなど"当時の文脈"の中で捉える事の重要さが分かる。歴史学とは一味違う観点がおもしろい。2013/09/03

ドウ

8
高校現代文の教科書の脚注で見かけて以来ずっと読んでみたかった本。近代日本で混合民族論と単一民族論が、双方とも過度に政治性を帯びた非科学的な詭弁でありながら、切磋琢磨され、人口に膾炙し、植民地化・皇民化政策の正当化や戦後の「平和な島国日本」という自画像の形成に大いに寄与した様子が、まずは思想史の手法を用いて通史的に示される。その後に結論で社会学の諸理論を駆使し、こうした思想が生まれ、正当化されうる日本の心性・レトリックが説明される。厚さ以上に内容のボリュームがある(ここには書ききれない)。読めて良かった。2020/04/24

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