出版社内容情報
ソシュールは言語哲学者である前にまず、現代言語学を基礎づけた言語学者であった。気鋭の言語学者が『一般言語学講義』とその原資料の丹念な読みを通して、ソシュールの言語学の革新的意義を明快に説いた入門書。
内容説明
ソシュールは言語哲学者である前にまず、現代言語学を基礎づけた言語学者であった。思弁から具体へ。ソシュール理解に言語学的転回を画する書。
目次
1 大家らしくなかった大家
2 『講義』はいかにつくられたか
3 記号
4 システム
5 対象
6 メカニズム
7 シニフィアンの戯れ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
愛楊
1
1995年出版。『講義』だけではなく原資料を参照しながら、ソシュール言語学の読解が行われている。ソシュール自体の混乱も論じられており、その点では分かりやすい入門書という訳ではない。丹念なソシュール読解である。膾炙している言語の恣意性テーゼについては、原資料では「根源的恣意性」となっていたところを、編者が「根源的」の語を削除してしまっていたりと、文献の発見による新しい読解があった。ラカンや丸山圭三郎によって神格化されがちなソシュールも一人の学者であり、テクスト内に混乱が無いわけがないのだ。2024/06/30