出版社内容情報
生まれて間もない認知科学。心理学とコンピュータ科学,脳生理学が活発に交流しながら,人間の理解,記憶,ことばのはたらきとしくみの解明に取組み,その成果は人工知能開発にも活かされつつある。そのホットな話題を40個のキーワードで一望する。
人間は知的な生物であるといわれる。たしかに、現代の高度に機械化された文明は、人間の「知」の力によって作り上げられたものである。人間は、他の動物と異なり、言葉や記号を巧みに使って非常に複雑な問題を解決したり、抽象的な思考をおこなうことができる。さらに、個人の「知」のはたらきの成果を他の人と交換しあったり、後世に伝えたりすることができる。その結果、今や人間の生活は「知」から離れて存在し得ないことになり、ある場合には「知」の成果を享受し、またある場合には「知」の成果におびえながら暮らしているのである。このような、人間に特有の「知」というものが一体どのようなものなのかを知ること、それが認知科学の一つのテーマである。「知」のしくみやはたらきを知ることによって、それをさらに発展させ、人間の生存に役立つように利用するための方法を見出そうというわけである。(本文より)
はじめに
Ⅰ認知科学の課題
認知科学/情報処理アプローチ/推論/ヒューリスティックス/メンタル・モデル/コンピュータ・シュミレーション/プロトコル/生成文法/失語症/談話過程/社会的認知/プロダクション・システム/人口知能
Ⅱ認知のしくみ
スキーマ/意味ネットワーク/プロトタイプ/認知科学/イメージ/選択的干渉/表象/命題/短期記憶と長期記憶/リハーサル/再認と再生/TOT現象とオーバーシュート/コーディング
Ⅲ認知のはたらき
直列処理/トップ・ダウン処理とボトム・アップ処理/パターン認識/読みの過程/物語文法/画像理解/視覚探求/選択的注意/直観像/特徴的分析/神経回路網/活性化/ラテラリティ
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【関連書籍】
『 交通事故はなぜなくならないか 』 ジェラルド・J・S・ワイルド著 (定価3675円 2007)
『 システム現象学 オートポイエーシスの第四領域 』 河本英夫著 (定価4410円 2006)
『 人間この信じやすきもの 』 ギロヴィッチ著 (定価3045円 1993)
【書物復権 2007】
『 日常生活の認知行動 』 J・レイヴ著 (定価3780円 初版1995を復刊)