内容説明
安政二年旧暦三月下旬。西蝦夷地において、追いニシン漁の刺網漁師たち数百人が、山刀や鎌、マサカリ、柄の長い魚鈎などを手に、遂に決起していた。相手は場所請負人の経営する大謀網が目標であった。大謀網はニシンの進路に当たる海を、わがもの顔に占領していた。零細刺網漁師たちの怒りは、我慢のぎりぎりの限界を越えた。西蝦夷地の網切騒動がここに発生する。網切りに向かう漁師たちの苦悩をえがく、歴史小説。
安政二年旧暦三月下旬。西蝦夷地において、追いニシン漁の刺網漁師たち数百人が、山刀や鎌、マサカリ、柄の長い魚鈎などを手に、遂に決起していた。相手は場所請負人の経営する大謀網が目標であった。大謀網はニシンの進路に当たる海を、わがもの顔に占領していた。零細刺網漁師たちの怒りは、我慢のぎりぎりの限界を越えた。西蝦夷地の網切騒動がここに発生する。網切りに向かう漁師たちの苦悩をえがく、歴史小説。