著者等紹介
トロワイヤ,アンリ[トロワイヤ,アンリ]
1911年11月1日モスクワで生まれる。1920年、ロシア革命を逃れて両親と共にパリに移住。1935年、処女作『ほの明かり』でポピュリスト賞。1938年、『蜘蛛』でゴンクール賞。1959年、アカデミー・フランセーズの会員に選ばれる。ロシアの皇帝や作家の評伝のほかにフランスの作家の評伝も手がけ、連作小説『この世が続く限り』『エグルティエール家の人々』など、90冊以上の作品を発表しており、フランスで最も偉大な作家の一人となっている
福住誠[フクズミマコト]
1944年神奈川県小田原市生まれ。早稲田大学第1政治経済学部卒業。早稲田大学第1文学部卒業。早稲田大学大学院博士課程修了。現在、私立相洋高校教諭。日本十八世紀学会、ロシア史研究会会員
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感想・レビュー
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ユビヲクワエルナマケモノ
7
ピョートル1世没後からエカテリーナ2世即位までの37年間を描く。この間権力を握った4人の女性達の「放蕩と残忍と狂気」は文字通り「教科書に(とてもじゃないが)書けない歴史」(笑)。同時代の仏宮廷の「不倫が文化」の頽廃が可愛く見える。ゴシップ以外で注目すべきはドイツ(東プロイセン)人の影響。あのビスマルクの祖先まで登場し、その影響を脱却するにはこれまたドイツ出身のエカテリーナ2世の登場を待たねばならなかった。ネタの宝庫と言える素材だが、訳文が直訳で面白さを半減させている。意味が取り辛い箇所がしばしばあった。2024/02/27