内容説明
平安中期の歌人。父は宇多天皇の皇子敦慶親王、母は閨秀歌人の伊勢。女流専門歌人として、高く評価されたが生涯は不明。本書は中務研究第一人者の著者が、中務家集と歌合、屏風歌などの卓越した読み込みに、独特の想像を加えて組み立てた中務の全貌。
目次
1 「中務」の登場
2 群がる男性たち
3 源信明との結婚
4 母伊勢の晩年と中務の自立
5 中務と娘井殿
6 村上朝の二十年
7 物語の制作工房形成期
8 浮沈・流転の歳月
9 晩年の孤独
10 連作と人間関係
11 花山院乳母子『中務』の周辺