出版社内容情報
ゴジラ60周年を機に文学的注釈という形で『ゴジラ』に向き合い、東海大学での授業の題材としてきた著者。その成果が待望の一冊に!
目次
序、バーボングラスで日本酒を―米製ゴジラ
ゴジラ傳―ゴジラ1954註釈(怪獣ゴジラのクロニクル;海洋の謎―提示部;ゴジラの荒れ―展開部;平和への祈り―終結部;ゴジラの仕組み;ゴジラ変奏)
切、怪獣王ゴジラ
著者等紹介
志水義夫[シミズヨシオ]
1962年4月13日東京都中野区に生まれる。1986年3月東海大学文学部北欧文学科卒業。1991年3月東海大学大学院文学研究科日本文学専攻博士課程後期単位取得退学。学位、博士(文学)。現職、東海大学文学部日本文学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Bugsy Malone
74
1954年版『ゴジラ』での最初のテロップ「賛助 海上保安庁」から「終」の文字まで、各シーンに注釈・解釈を加えながら細かに解説していきます。楽曲と効果音をひとつの音楽として捉えた解釈は成程と思うものがありました。ゴジラ「英霊説」や御霊または自然災害の化身と受け止める既知の説を解説し、それらの解釈を踏まえた上で「多様な性格が多元的に同時成立し、時には破綻さえみせながらも、お互いに響き合う作品」と評価しています。この一文は創り手達が意図した以上の様々な解釈が産み出された現在の奇跡を上手く表現していると思います→2021/01/05
マーブル
8
『ゴジラ』(1954年版)をあたかも『古事記』を読み解く様に、大学の授業として取り上げ分析、解釈を行なったテキストを基に編まれた本書。それは生体解剖の如く『ゴジラ』という映像作品を切り刻む。当時の社会情勢。公開時の世評。経済。製作者の話。そしてシリーズ化された後振り返って見直される再評価。解剖されたものは骸に過ぎないだろうか。元の作品の美しさはそこにはないのだろうか。 それとも、熟練の手になる分解のように、仕組みを理解され、丁寧に組み立てる事でより一層愛着の湧く機械のようにもなり得るだろうか。2021/02/27
退院した雨巫女。
6
《私-図書館》ゴジラは、やはりただの怪獣じゃない。2016/09/21