目次
「妻の座」をめぐる研究状況
子の出世も母親次第?
皇女が臣下に嫁いだら?―師輔と三人の内親王たち
「正妻」は絶対的?―頼通と隆姫
儀式婚vs私通婚
「正妻」はいつ決まる?―道長の妻たち
「正妻」の条件は?―「后がね」の母ということ
「女房」は「正妻」になれない?
明子は詮子の女房だった?―再び道長の妻たち
同居する妻の強み―「正妻」の必要条件
「妻」たちの協力体制―夫の「家」の一員として
「摂関政治」の時代と「妻」たち―むすびにかえて
著者等紹介
園明美[ソノアケミ]
1968年3月福岡生まれ。1990年3月北九州市立北九州大学(現・北九州市立大学)文学部国文学科卒業。2000年3月法政大学大学院人文科学研究科日本文学専攻博士課程単位取得満期退学。2008年3月博士(文学)。現職:法政大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Mana
1
平安時代の婚姻制度について。平等な一夫多妻制ではなく正妻が存在していたという点では源氏物語の結婚と一緒だけど、源氏〜結婚が初めから正妻は正妻として結婚していたというのに対してこちらの本では結婚生活を通して正妻が決まっていくと言っている。天皇と結婚させることのできる姫を産むことが重要だったという点は、ちょっと新しいかも。薄くて論文をまとめた感じな本だった。2012/08/12
sfこと古谷俊一
1
摂関期には婚姻の手順や正妻って観念はまだあいまいだったんだよ。というような話を、最新の研究を批判的に論ずることで語ってる、論文めいた小冊子。摂関期には外戚になれるかどうかが権力を決めちまうので、送り込める娘ができるかどうかが重要で、形式的正妻が最初から固まるような形ではない、ってなとこかな。2010/02/26
なかがわみやこ
1
まず正妻の定義がまだ定まっていないというのに驚き。婚姻関係は流動的で拘束が少なくて楽そうではあるけれど、これ以上ないほど将来不安です。さすが末法、かしら。購入時にページ数チェックしなかったのでしょんぼり。内容は充実してても、さすがに物足りない。先週、奈良末期~院政初期の本をさらったところなので、系図が頭に残っててわかりやすかったです。日記/物語の引用や、データを表にしたものはあるけど、系図はないので、あやふやなときは参考書が必要かも。しかし、この手のを読むと毎回思いますね。小右記は学術文庫に入らんかー。2010/02/09
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- 和書
- 河原官九郎 角川文庫