新典社新書
千と千尋の神話学

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  • サイズ B40判/ページ数 158p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784787961389
  • NDC分類 778.77
  • Cコード C0295

内容説明

異郷訪問説話の中でも高い人気を誇る、スタジオジブリ映画『千と千尋の神隠し』。なぜ、こんなにも魅力的でおもしろいのか。日本古代文学研究の第一人者である著者が、数ある異郷訪問型のストーリーと比較しつつ、神話学の観点から千と千尋を読みとく。トンネルの向こうの、不思議の町に仕組まれた神話の構造とは。

目次

1 どのように似ているか?
2 異郷って何?
3 なぜ、いやがるか?
4 話の裏をどう読むか?
5 異郷の中の異郷?
6 沼の底で何があったか?

著者等紹介

西條勉[サイジョウツトム]
1950年北海道生まれ。早稲田大学大学院文学研究科単位取得満期退学。専攻は日本古典文学・神話学。博士(文学)。現職、専修大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

リップ

25
千と千尋の神隠しを軸に、異郷訪問がテーマの類似した物語を紹介しつつその構造を分析した本。文学的な構造については素人ですが、個人的には少々こじつけっぽい面もあるなと感じたりはしました。でも自分は物語の表面しか見えてないなと思うのと同時に、すごく興味深い着眼点だなと感じました。また千と千尋を見たときは、こういった点を気にかけつつ見てみたいと思います!2014/06/17

11
こうやって深いところまで読み解いていくと、こんなにおもしろいんだなあ。湯屋の場所、カオナシの正体、映画を見ても明らかにはならなくて気になっていることにまで突っ込んで書かれていたので、すごくよかった。「銀河鉄道の夜」や「海辺のカフカ」などほかの作品との比較もあり、さらに興味深い。専修大学の教授だということで、こういう授業を受けることができたら幸せだろうな、と思う。2013/09/17

蜜柑

7
異郷訪問譚の型に千と千尋を当てはめて深読みしてみる、という趣旨の本。 ネット上では千と千尋に纏わる都市伝説をたくさん読むことができるけど、今作のように過去の作品と照らし合わせて読み直す説には初めて出会ったので新鮮でした。物語には型があって、それに沿って読み込むと登場人物がより立体的に見えてくる。千と千尋も然り。ただ、型を意識しすぎると味気ない気もする。お話はお話として、個人の中で無限の奥行きを持って広がっていくから面白い。2014/11/28

むらめぐ

3
千と千尋の神隠しを、神話学というより、どちらかというと異郷訪問説話の類型に当てはめて分析している。千と千尋が必ずしもメインという訳ではなく、七大異郷説話のそれぞれについて比較的詳しい分析が加えられる。中でも、宮沢賢治『銀河鉄道の夜』についての議論はかなり興味深かった。鳥を捕る人の存在意義についてや、ジョバンニとカンパネルラの対比が面白い。もう一度読み返したくなった。千と千尋の考察については、自分の解釈とはかなり異なっていたため、あまり相性が良くなかった。2020/09/21

そーだ

2
神話学となっているけど、異郷訪問型の話型から文学を読み解くことに主眼が置かれていて、もっと違ったタイトルの方が良かったのではないかと思ってしまった。「神隠し」と「神話学」を掛けたかったのだろう。学生のときに授業中先生が紹介していて、読みたいと思っていたのを、金曜ロードショーで『千と千尋の神隠し』をやることが分かったので、この機会に買おうと思った。予想していたのと違ったけど、これはこれで満足。『銀河鉄道の夜』と『海辺のカフカ』にも言及されていて、どちらも苦手な作品だったけど、また読み返してみたいと思った。2014/11/26

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