内容説明
後を絶たない偽装事件。今に限ったことではなく、江戸時代にもよくあることだった!井原西鶴の鋭い観察眼によって記された、江戸の人々の知力・体力を総動員しての、だましだまされ模様を、現代社会になぞらえて説く。偽物を見抜く力を養う一冊。
目次
1 偽装の商法―西鶴と『日本永代蔵』(偽装の時代;元禄のミートホープ事件―煎茶に茶の煮殻を混ぜて売出す ほか)
2 ファンド―利益追究第一の詐欺的商法(詐欺的手法―営利至上主義の犯罪;思いがけぬお宝発見―定家の色紙も交じる枕屏風を太夫から手に入れる ほか)
3 アイディア商法列伝(平成の創業者たち―「カンブリア宮殿」に登場する経済人;デパート商法の創始―越後屋三井九郎右衛門 ほか)
4 元禄の保険金殺人未遂事件―『本朝二十不孝』と遺産相続(悪徳金融ブローカ―長崎屋伝九郎―親の財産目当ての息子笹六、逆転の死;二千両の財産を八千両と水増しした遺言状―世間体への気配りがもたらした悲劇)
5 金銭という魔力―『本朝二十不孝』における少年少女犯罪(近世の異人殺し―小吟、九歳の犯罪;貧困のなかの家庭内暴力―生れながらの極悪人、遅すぎた天罰)
著者等紹介
堀切実[ホリキリミノル]
1934年1月13日東京都に生まれる。1957年3月早稲田大学第一文学部国文科卒業。1969年3月早稲田大学大学院文学研究科課程修了。専攻・学位:日本近世文学、俳文学、文学博士(早大)。現職、早稲田大学名誉教授(早稲田大学エクステンションセンター講師)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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