胆膵内視鏡治療の基本手技 - 困難例への対処とこつ

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  • サイズ B5判/ページ数 127p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784787813657
  • NDC分類 494.657
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》 序 文
 近年,胆膵疾患の診療の進歩には目覚しいものがある.腹部超音波検査法,コンピュータ断層診断法(CT),核磁気共鳴画像診断法(MRI)など各種画像診断法の進歩は胆膵領域の診断学に大きく寄与してきた.特に,MRCP(M3(Magnetic Resonance Cholangiopancreatography)による診断能の進歩は,従来,胆膵疾患の最終的検査法として位置付けられていた内視鏡的逆行性胆管膵管造影法(Endoscopic retrograde cholangiopancreatography:ERCP)の診断的価値を大きく変化させた.更に,過去3回行われた日本消化器内視鏡学会の偶発症に関する全国調査でもわかるように,ERCPにおいては,急性~重症膵炎などの偶発症がしぱしば問題となり,単なる診断目的で施行されるERCP検査は明らかに減少しつつある.一方,急性膵炎の原因となる結石嵌頓の除去術,閉塞性黄疸やそれに伴う感染性胆管炎などに対する内視鏡的ドレナージ術など,緊急的に治療を要する場合の多いのが胆膵疾患での特徴でもある.今日,ERCP関連技術やデバイスの進歩に伴って胆膵疾患に対する内視鏡的治療の件数は確実に増加しつつある.この様に,高度な手技が要求されリスクを伴う内視鏡的治療の増加にも関わらず,診断法としてのERCP検査の減少は,如何にして効果的に手技を習得するかという点で,これから胆膵領域の内視鏡医をめざす若い医師にとって,今後の大きな課題となる.実際には,診断的検査だけでなく内視鏡的治療においても偶発症を予防するためにも,膵管胆管への選択的造影をはじめとした基本的なERCPの技術が最も重要である.さらには,挿入困難例に対するこつなどを如何に習得するかも現実的な問題となる.しかしながら,各施設によりそれぞれの流儀もあり一技術の標準化やこつについて記した書物は残念ながらきわめて少ないのが現状である.以上を背景に,「ERCPの基本ならびに関連技術とそのこつ」を効果的に理解し取得することを目的として本音が企画された.執筆者には,編者が会長を務めた第14回日本消化器内視鏡学会重点セミナー(平成15年9月6日,於横浜)における講師の先生方を中心に,現在,わが国の第一線で活躍中の胆膵領域の内視鏡スペシャリストにお願いした.第一部として「ERCPの基本手技と困難例に対する対応」を,また関連手技として「ESTとEPBDの基本と工夫」を第二部とした二部構成とした.それぞれの施設での流儀もあり,技術の標準化には及ばないとしても,技やこつに各施設での共通点も多く,これから胆膵の内視鏡専門医を目指す若い医師にとって益するだけでなく,ある程度熟練した内視鏡医にとっても,自身の手技を再確認する一助になれば編者にとって幸いである.最後に本書を企画するにあたって,学会重点七ミナーの内容を基本に構成することに対して理解と承諾をしていただいた日本消化器内視鏡学会 丹羽寛文理事長,卒後教育委員会 三輪剛担当理事,卒後教育委員会 多田正大委員長ならぴに日本消化器病学会理事会の諸先生方に深謝します.
平成16年1月2日
関西医科大学第三内科
主任教授 岡崎和一    

《目次》
第1部 ERCPの基本手技と困難例に対する対応
Part1:ERDPからEST・EPBDの基礎と応用-リスクマネージメントの観点から・・・安田健治朗
Part2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・猪股 正秋
Part3・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・長谷部 修
Part4・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・真口 宏介
Part5:胆管への選択的挿管を中心に・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・向井 秀一
Part6:安全なERCP手技・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・眞栄城兼清
第2部 ESTとEPBDの基本と工夫
Part1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・久保田佳嗣
Part2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・伊藤 彰浩・他
Part3:選択的胆管挿入困難例に対するプレカッティング・・・・・・・・・・・・・・良沢 昭銘
Part4:EPBDの基本と結石除去のコツ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・伊佐山浩通・他
Part5:特にESTの基本と応用,困難例への対処・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・五十嵐良典

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