出版社内容情報
《内容》 何年か前に「診断と治療」誌に5年間にわたって連載していた60疾患をまとめて「ここまでわかる単純X線写真」という本を編集させていただきました.その際,正常例がなかったので同じ60例を追加しました.解剖というのは結構忘れるものです.肋骨は横突起の上だったっけ下だ 《目次》 脳神経1 頭部MR T2強調画像(正中)2 頭部MR プロトン軸面像(レンズ核レベル)3 頭部エックス線CT軸面像(レンズ核レベル)4 頭部MR プロトン軸面像(橋レベル)5 頭部MR プロトン軸面像(側脳室上部レベル)6 脳回の模式図7 中枢神経の発達8 脳回と脳溝の何年か前に「診断と治療」誌に5年間にわたって連載していた60疾患をまとめて「ここまでわかる単純X線写真」という本を編集させていただきました.その際,正常例がなかったので同じ60例を追加しました.解剖というのは結構忘れるものです.肋骨は横突起の上だったっけ下だったっけとか,そばに誰もいないのに思い出すのに時間をとられたりします.特に私は長い間報告書を口述筆記することに慣れてしまっていたのでちょっとしたことはタイピストに任せてしまい,ますます記憶が薄くなってしまいます.文章を書くときにはいくつかの辞書や参考書を横にするのですが,根がわがままなので必ずしも納得できないものが多く結構イライラしていました.そういう意味で「ここまでわかる単純X線写真」は横に置いておくと結構便利にしていました.ついでに正常例だけをまとめて小さな本にならないかと相談したところ,どうせなら他の画像の正常例も加えてはどうかということになりこの本を作ることになりました.いざ始めてみると我々の病院では血管造影のような患者侵襲の多いものはもとよりエックス線CTやMRも以外に正常例は少ないことを知りました.結構無駄な検査はしていないものと感心しましたが原稿を作るのには苦労しました.附属放射線学校の解剖学の講義を受け持ってみると解剖学と臨床の間では言葉がよくつながっていないことや,重点項目に大きな差があることもよくわかりました.解剖学を無視する気は毛頭ありませんが,現実に病院で使われていたり,英語圏の国で使われているものは勝手に慣用語や英語を使いました.言葉を軽視するわけではありませんが,言葉の移り変わりを無視するわけにもいきません.重点の置き方も解剖学から離れているかもしれません.例えば,renal pelvis 腎盤(解)ではなく腎孟(慣)を,大後頭孔は great foramen(英)ではなく foramen magnum(解)をといった具合に必ずしも統一はとれていません.恥骨結合はpublic symphysis(英)や symphysis pubis(慣)を使ったりしています.なるべく日常,病院でよく使う言葉を選びました.人体の画像はたぶん年数を経ずしてMRは機能画像を進めるでしょうし,エックス線CTは分解能を高めて自由に3次元の画像を短い時間に作れるようになるでしょう.核医学は機能の変化や受容体の分布を明らかにしてくれるでしょう.DNAもさらに解明していきます.今の数 mm 単位の画像も 100 ミクロン単位になり,マクロの解剖学や病理学に迫り凌駕するのもそう遠い将来ではないでしょう.自由自在に生きている人の身体を細かく調べることができるようになれば手術は無理としても屍体の解剖学はなくなるかもしれません.仮想空間 virtual reality と現実の区別がつかないようになると一寸困ったことになりそうですが.逆に今はある意味では医師の判断で行われている画像診断も患者や家族の同意が強くなり,医師に適応について詳細な説明を求められるようになるでしょう.そうすれば人体の構造に関する知識は今以上に医師に認められると思います.一方,画像作成の進歩と普及が進み,今のように医師が患者から臓器に専門を狭めて行けば画像診断は必ずしも医師である必要がなくなるかもしれません.そのときこのような学問はどうなるかなどと考えています.現に福祉や介護,時には救急の分野では本来医師が行うべき業務の多くが医師以外の人によって行われて結構良い結果をもたらしています.もっとも時には困った結果をもたらしていますが.介護や福祉が医療から独立して離れているために老人を介護する家族として結構苦労しました.その経験から解剖学も医療から離れてもらいたくないものと医師として考えています.脳神経1 頭部MR T2強調画像(正中)2 頭部MR プロトン軸面像(レンズ核レベル)3 頭部エックス線CT軸面像(レンズ核レベル)4 頭部MR プロトン軸面像(橋レベル)5 頭部MR プロトン軸面像(側脳室上部レベル)6 脳回の模式図7 中枢神経の発達8 脳回と脳溝の表(前頭葉と頭頂葉)9 脳回と脳溝の表(後頭葉と側頭葉)10 ブロードマンの局在11 運動野・感覚野と内包の機能の模式図12 脳動脈正面像(右内頚動脈造影と左椎骨動脈造影)13 脳動脈側面像(右内頚動脈造影と左椎骨動脈造影)14 内頚動脈支配血管の表15 椎骨動脈支配血管の表16 脳静脈正面像(右内頚動脈造影と左椎骨動脈造影)17 脳静脈側面像(右内頚動脈造影と左椎骨動脈造影)18 脳の静脈の模式図19 頭蓋と顔面の静脈の模式図20 脳MR 造影正面像冠状面(第3脳室~歯状突起面)21 頭部MR プロトン軸面像と小脳の模式図(眼窩中央~耳孔レベル)22 MR信号の説明23 脳室と脳槽の模式図24 脳SPECT(正面像,軸面像)25 脳槽シンチグラム正面像,側面像26 脳神経起始部の模式図27 脳底部の脳神経の模式図28 脳神経の表29 脳の核と信号の模式図頭頚部30 頭部単純エックス線正面像とシェーマ31 頭部単純エックス線側面像とシェーマ32 後頭蓋単純エックス線軸面像とシェーマ(Towne)33 頭蓋底MRA34 頭蓋底のエックス線CT軸面像35 トルコ鞍周辺の模式図36 眼窩エックス線CT軸面像と視野の模式図と眼底写真37 左眼窩MR T2強調側画像と眼筋の模式図38 眼窩単純エックス線正面像とシェーマ39 眼窩単純エックス線側面像とシェーマ40 左眼窩の模式図41 左視神経孔単純エックス線正面像とシェーマ(Rhese)42 左側頭骨エックス線CT軸面像43 側頭骨MR プロトン像とT2強調像(内耳正面像,側面像)44 左錐体部単純エックス線正面像とシェーマ(Stenvers)45 右錐体部単純エックス線側面像とシェーマ(Sonnennkalb)46 左錘体部単純エックス線軸面像とシェーマ(Mayer)47 右中耳エックス線断層正面像とシェーマ48 錐体部と鼓室の模型図49 左耳下腺造影側面像と睡液腺の模式図50 副鼻腔の模式図51 副鼻腔単純エックス線正面像とシェーマ(Waters)52 鼻骨単純エックス線正面像,側面像とシェーマ53 頭部エックス線規格撮影と原理の模式図54 左顎関節単純エックス線側面像55 下顎左単純エックス線斜位像56 顎関節エックス線パノラマ像とシェーマ57 歯列エックス線パノラマ像と原理の模式図58 左顎関節MR 造影正面像59 左顎関節MR T2強調側面像60 外頸動脈正面像,側面像61 顔面の主な血管の模式図と表(外頸動脈と内頸静脈)62 ワルダイヤー輪と頸部のリンパ節の模式図63 自律神経の模式図64 上部頸椎単純エックス線正面像とシェーマと神経と椎体の関係の模式図65 頸椎単純エックス線正面像と神経と椎体の関係の模式図66 頸椎MR T1強調側面像67 頸椎単純エックス線側面像と頸椎神経の模式図68 頸椎単純エックス線斜位像と椎体と横断面の模式図69 咽頭造影:斜位像と咽頭・喉頭の模式図70 頸部リニアックグラフィ側面像と頸髄神経支配の表71 頸椎CR 側面像72 声帯単純エックス線正面像73 頸部エックス線造影CT 軸面像(声帯レベルと甲状腺レベル)と頸部軟骨の模式図74 甲状腺シンチグラム正面像75 甲状腺超音波軸面像と甲状腺シンチグラム薬剤の表76 左総頸動脈斜位像77 右頸部の模式図,上肢帯・上肢78 大動脈弓正面像79 鎖骨下静脈正面像80 頸部エックス線造影CT 軸面像(鎖骨レベル)81 右鎖骨単純エックス線正面像82 左鎖骨下動脈正面像83 肩の動静脈の表84 右肩MR T1強調正面像85 右肩の筋肉の模式図(腹側,背側)86 左肩関節単純エックス線正面像,側面像,軸面像87 右肩甲骨単純エックス線正面像,側面像88 右上腕骨単純エックス線正面像,側面像89 右上腕MR T1強調軸面像90 右肘MR T1強調側面像91 右肘の筋肉の模式図(腹側,背側)92 左肘関節単純エックス線正面像,側面像93 右前腕骨単純エックス線正面像,側面像94 右肘の動脈側面像95 右上肢の動脈の模式図96 右前腕MR T1強調軸面像97 右手の血管正面像と表98 左手MR T1強調正面像99 右手の筋肉の模式図(掌側,背側)100 左手根骨単純エックス線正面像,側面像101 左手掌骨単純エックス線正面像,側面像胸部102 胸骨単純エックス線斜位像,側面像103 左肋骨単純エックス線正面像,斜位像104 左乳房単純エックス線側面像,軸面像105 左乳房MR T1強調,T2強調軸面像106 左乳房超音波軸面像107 胸部液化リンパ節と肺副葉の模式図108 胸椎単純エックス線正面像,側面像と胸椎の模式図109 胸椎エックス線CT 軸面像(第11胸椎上部と中部レベル:ミエロCT)110 胸部単純エックス線正面像と肺門部の構造の模式図111 肺軸面の模式図112 胸部MR T1強調正面像(上行大動脈面)113 胸部MR T1強調正面像(左房面)114 胸部MR T1強調側面像(大動脈弓面)115 胸部単純エックス線側面像と気管支・肺動脈・肺静脈の命名116 胸部単純エックス線斜位像117 胸部単純エックス線肺尖像と背臥位正面像118 気管支造影正面像,側面像119 肺門の血管・気管支の模式図120 気管支動脈正面像121 食道造影正面像,斜位像122 右肺血管正面像,側面像123 左肺血管正面像,側面像124 肺のエックス線CT 軸面像(上大静脈上部と気管分岐レベル)125 縦隔のエックス線造影CT 軸面像(上大静脈上部と気管分岐部レベル)126 肺のエックス線CT 軸面像(上肺静脈と横隔膜上部レベル)127 縦隔のエックス線造影CT軸面像(上肺静脈と横隔膜上部レベル)128 肺シンチグラム正面像129 肺細葉の模式図と肺の組織写真130 左室斜位像131 心内腔シンチグラム像(動態と静態)132 冠動脈斜位像133 心筋シンチグラム正面像,立体視像,断層像134 心内腔シンチグラムの解析135 心筋シンチグラムの解析腹部136 腹部単純エックス線立位正面像と条件の差による横隔膜の描出能137 腹部単純エックス線立位側面像と腹部矢状面模式図138 腹部単純エックス線背臥位正面像と側服線とdog's earsの説明139 上腹部エックス線造影CT 軸面像(肝静脈レベル)140 上腹部エックス線造影CT 軸面像(胆嚢レベルと膵・副腎レベル)141 腹部エックス線造影CT 軸面像(腎レベル)142 胃二重造影正面像(背臥位,腹臥位)143 低緊張性十二指腸造影正面像と胃の形態の模式図144 経皮経肝胆管造影像(PTC)145 門脈正面像(TIPS)146 胆嚢造影エックス線断層正面像(DIC)147 胆嚢超音波側面像,軸面像148 肝小葉の模式図と組織写真149 肝・胆嚢シンチグラム正面像150 肝超音波軸面像と肝の分葉の模式図151 腹部MR T1強調正面像と腎錐体の模式図152 経内視鏡的胆管膵管造影正面像(ERCP)と膵の組織写真153 膵超音波軸面像と膵周辺の血管の模式図154 腹腔動脈正面像155 門脈正面像(上腸間膜動脈造影)156 上腸間膜動脈正面像157 小腸追跡造影正面像158 下腸間膜動脈正面像159 大腸注腸造影正面像160 経静脈腎孟(尿路)造影正面像(DIP)161 右腎超音波斜位像162 左腎血管正面像(腎動脈造影の動脈相と静脈相)163 右腎静脈正面像と腎周辺の血管の模式図164 腎小葉の模式図と組織写真165 腎シンチグラム正面像とレノグラム166 腹部大動脈正面像167 腰椎単純エックス線正面像と脊椎と脊髄神経の関係の模式図168 腰椎単純エックス線側面像,斜位像169 腰椎MR T2強調側面像170 腰椎MR T1強調軸面像と脊髄動脈正面像骨盤部171 仙骨単純エックス線正面像,側面像172 骨盤単純エックス線正面像173 骨盤計測(Martius法,Guthman法)174 骨盤エックス線造影CT 軸面像(女性)175 骨盤エックス線造影CT 軸面像(男性)176 骨盤MR T2強調側面像(女性)177 骨盤MR T1強調側面像(男性)178 尿道造影斜位像と男性生殖器の模式図179 子宮卵管造影正面像と女性生殖器の模式図180 直腸側面像(注腸造影,血管造影)と直腸の走向181 骨盤動脈正面像(女性)182 右内腸骨動脈正面像と動脈の表(男性)183 左内腸骨動脈正面像,斜位像(女性)184 左内腸骨静脈正面像(内腸骨動脈造影の静脈相)185 右卵巣動脈正面像と骨盤内血管の模式図186 骨盤のリンパ説の模式図下肢帯・下肢187 股関節MR T1強調正面像(男性)188 股関節単純エックス線左正面像,右側面像189 右股関節を覆う筋肉の付着部の模式図190 右外腸骨動脈正面像と動脈の表191 大腿骨単純エックス線右正面像,左側面像192 右大腿MR T1強調軸面像193 右膝関節単純エックス線正面像,側面像,軸面像194 右膝を覆う筋肉の模式図195 右膝関節MR T1強調正面像,T2強調側面像と軸面の模式図196 右下腿骨単純エックス線正面像,側面像197 右下肢動脈正面像198 左下肢動脈像199 静脈シンチグラム正面像と右下肢静脈の模式図200 骨シンチグラム正面像(8歳と12歳)201 骨シンチグラム正面像(16歳と70歳)202 リンパ管造影正面像とエックス線CT 軸面像203 リンパシンチグラム正面像204 右下腿MR T1強調軸面像205 右足関節の伸筋と屈筋の模式図206 右アキレス腱CR 側面像207 右アキレス腱MR T1強調側面像208 右足関節単純エックス線正面像,側面像209 左足骨単純エックス線正面像,側面像と足根骨の模式図210 左足動脈正面像,側面像
目次
脳神経
頭頚部
上肢帯・上肢
胸部
腹部
骨盤部
下肢帯・下肢