内容説明
本書の内容は、大きく2つの部分に分かれる。前半が文献研究であり、後半が実験研究である。第1章から第7章においては、恐怖喚起コミュニケーションの説得効果を扱った過去の諸研究に関する分析的な展望を行った。そこでは、過去の研究成果の整理と研究課題の探索を試みている。第8章から第15章においては、私自身が手掛けた恐怖喚起コミュニケーションの説得効果に関する実験的研究を紹介した。これらの章では説得効果の規定因の解明および説得効果の持続性の解明を目指している。
目次
第1章 恐怖喚起コミュニケーション研究の意義
第2章 恐怖喚起コミュニケーション研究の領域
第3章 恐怖喚起コミュニケーションの動向
第4章 恐怖喚起コミュニケーション研究における理論・モデル
第5章 恐怖喚起コミュニケーション研究にみる恐怖の説得機能
第6章 恐怖喚起コミュニケーション研究における方法論的問題
第7章 無関連恐怖喚起状況下での説得研究
第8章 研究課題の時系列的構造化
第9章 説得に及ぼす予告の効果(1):予告のタイプ―第1研究
第10章 説得に及ぼす予告の効果(2):予告効果の媒介過程―第2研究
第11章 説得に及ぼす勧告の効果(1):勧告の効果性―第3研究
第12章 説得に及ぼす勧告の効果(2):勧告の社会的望ましさ―第4研究
第13章 説得の持続効果(1):説得効果の持続性―第5研究
第14章 説得の持続効果(2):後続逆宣伝への抵抗―第6研究
第15章 実験研究から得られた知見と将来の研究課題