内容説明
北海道・白滝は世界第一級の黒曜石原産地である。その黒曜石で作られた石器は遠くサハリンでも出土している。旧石器時代の白滝での石器生産システム解明と道内およびサハリン・シベリアの遺跡研究から、北の物流ネットワークと人類拡散のドラマを浮かび上がらせる。
目次
第1章 世界第一級の黒曜石産地・白滝
第2章 日本旧石器研究と白滝
第3章 白滝遺跡群
第4章 人類の活動と白滝産黒曜石
第5章 石材流通のネットワーク
第6章 北の黒曜石の道
著者等紹介
木村英明[キムラヒデアキ]
1943年、北海道札幌市生まれ。明治大学大学院文学研究科修士課程修了。史学博士、ロシア科学アカデミー名誉博士。札幌大学文化学部教授、同大学院文化学研究科長などを歴任、2008年に退職。「カリンバ遺跡」史跡整備検討委員会委員長(前)、遠軽市白滝ジオパーク交流センター名誉館長(前)、白滝ジオパーク推進協議会学識顧問ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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月をみるもの
14
https://bookmeter.com/books/13363535 を読んでつい星糞が「日本最初の鉱山」と書いてしまったのだが、よく考えると縄文時代になる前から、黒曜石は使われていて、北海道にはちゃんとその頃(旧石器時代)の「鉱山」跡がみつかっているのだった。 このへんの山ん中はまだまだ人が入ってないところ多そうだし、UAV ライダー飛ばしたら新しい遺跡もたくさん見つかりそう。。2023/06/09
三谷銀屋
2
世界的にも屈指の黒曜石の産地である北海道の白滝の遺跡群から出土した石器や石器制作時の剥離片を手がかりにして、旧石器時代の人の動き、交易ネットワークを推測する。正直、石器の制作技法が今ひとつ分かってなくて、そこらへんこんがらがってしまいちゃんと理解しているとは言い難い。けれど、石器制作時に剥離され分散した黒曜石のかけらをジグソーパズルのように繋げ合わせる事で旧石器時代人の社会の仕組みに迫る…という、気の遠くなるような地道な作業に基づく研究手法を読み、改めて考古学研究者の努力、情熱に対して深い敬意を感じた。2024/07/22
kaz
1
図書館の内容紹介は『北海道・白滝は世界第一級の黒曜石原産地である。旧石器時代の白滝での石器生産システム解明と道内およびサハリン・シベリアの遺跡研究から、北の物流ネットワークと人類拡散のドラマを浮かび上がらせる』。子どものころ持っていた黒曜石を思い出した。確かに石器になるような代物だったのかもしれない。 2020/10/31
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