内容説明
古市・百舌鳥古墳群に巨大な前方後円墳がつくられた五世紀、両古墳群の間の大阪府堺市美原区に、鉄製甲冑の出土数が列島第一位の黒姫山古墳が築造された。古市・百舌鳥の大型古墳が天皇陵に治定され実態の解明が遠い状況のなか、この古墳は巨大古墳の時代を解く鍵を握っている。
目次
第1章 黒姫山古墳とは
第2章 解明された黒姫山古墳
第3章 最多の古墳出土甲冑
第4章 埴輪列と埴輪
第5章 黒姫山古墳の被葬者像
第6章 黒姫山古墳周辺をめぐって
著者等紹介
橋本達也[ハシモトタツヤ]
1969年、大阪府堺市美原区生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。鹿児島大学総合研究博物館教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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月をみるもの
13
ここを発掘した時の森浩一は未成年。そして発掘報告書は、その後の武具研究者のバイブルとなった。。。2020/12/19
黒豆
5
鉄を薄くし組み合わせた甲冑、漆塗装、などが興味深かった。 それにしても、最後の記載で五世紀の開発から進んできたこの歴史的農業景観も、1980年代の開発により大きく変容、高速道路、小川のコンクリート蓋、うぅ〜ん という感じ!2021/01/03
うしうし
2
休日に一気に読了・・といいたいが、甲冑と埴輪の最新研究の部分が不勉強のため、私にはよく理解できなかった。再読必要。黒姫山古墳の年代は甲冑からはTK23段階(5世紀後葉)、埴輪からはTK216段階(5世紀中葉?)となり、「甲冑と埴輪で指し示す編年的な位置づけに明確なズレがある。」(p65)とされる。また、被葬者については丹比氏の祖で、倭王珍に比定される反正天皇(タジヒミズハワケ大王)の時世のその信任を得て、古墳が立地する丹比野の開拓・経営を主導し、中央政権にて軍事の一翼を担った人物とする。(p73~75)2021/08/09