内容説明
大山古墳を仁徳天皇陵古墳と呼んでいいのか?ほとんどが「陵墓」で構成されている世界遺産となった百舌鳥・古市古墳群。貴重な文化財でもある「陵墓」をこれからどうしてゆくのか。古墳としての「陵墓」の整備や保存、そして公開を考える。
目次
挨拶 「陵墓限定公開」四〇周年を迎えて―あらたな課題を生む世界遺産登録
1 基調講演・報告(基調講演(「陵墓限定公開」四〇年と現状から考える)
報告(大仙古墳は允恭(倭王済)墓である
副葬品からみた大山古墳―前方部石室出土の甲冑をめぐって
世界の墳墓と世界遺産
調査手法の進展と「陵墓」情報の充実
近代天皇制と「陵墓」))
2 討論(文化財としての「陵墓」と世界遺産)
3 資料
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いくら丼
9
めちゃめちゃ面白かった。そもそも「仁徳天皇陵古墳」は、学問的には被葬者を仁徳天皇とは考えないのが主流。そんな中、かつてどのように「仁徳天皇陵」に治定されたか、何故それが今日まで変わらないか、そして、実際の被葬者は誰なのか、作られた年代はいつか、何故、「仁徳天皇陵古墳」の名で推薦され、世界遺産になったのか。これからどう向き合っていくべきか。仁徳天皇陵古墳をはじめとする「陵墓」の持つ課題の多くは、日本の文化財全体の課題でもある。学問的には世界遺産の名も、『古市・百舌鳥古墳群』が妥当だと複数の研究者が主張する。2023/02/28
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