内容説明
信州・八ヶ岳西麓の大規模集落から出土した大形の仮面土偶。「縄文王国」と冠されるほどに繁栄した山麓の集落群が急激に減少する縄文時代後期、縄文人は、死者にたむけたように埋置されたこの土偶にどんな願いを込めたのか。発掘を担当した著者がその謎を解き明かしてゆく。
目次
第1章 「仮面土偶」の発見(THE POWER OF DOGU;仮面をつけた土偶発見! ほか)
第2章 よみがえる「仮面の女神」(復元とレプリカ製作;愛称「仮面の女神」の誕生 ほか)
第3章 中ッ原縄文ムラを探究する(中ッ原遺跡調査の歩み;縄文文化繁栄の地 ほか)
第4章 「仮面の女神」を探究する(どのようにつくったのか;「仮面の女神」の系譜は ほか)
第5章 八ヶ岳西麓の縄文文化の終焉(八ヶ岳西麓の縄文ムラの盛衰;中ッ原ムラの終焉と「仮面の女神」 ほか)
著者等紹介
守矢昌文[モリヤマサフミ]
1957年、長野県茅野市生まれ。大正大学文学部史学科日本史学専攻卒業。茅野市尖石縄文考古館館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
月をみるもの
12
長年の懸案であった尖石縄文考古館訪問ようやく実現し、諸星大二郎の「暗黒神話」に出てくる「蛇体把手付深鉢型土器」に無事に出逢うことができた。そして次回は、この本で詳しく解説されている国宝「仮面のビーナス」の出土地を見に行くという宿題ができた。 https://twitter.com/bamboo4031/status/15145495662340464652022/05/15
やま
9
国宝に指定された縄文時代の土偶「仮面の女神」。長野県の中ッ原遺跡から発掘されたのですが、発掘当時の状況が良く分かり、ワクワクしました。発掘後の状況や遺跡を取り巻くようすなども詳しく書かれています。土偶が埋められた理由も筆者の考えが書かれていますが、いろいろと想像できて楽しいです。縄文好きには期待以上の一冊でした。2020/12/03
うしうし
2
長野県茅野市中ツ原遺跡出土の国宝土偶「仮面の女神」は、縄文時代後期前半堀之内式新段階の所産。環状集落の広場にある墓の副葬品で、右足が意図的に壊された状態で出土。墓穴の西側には8本の柱穴からなる方形柱穴列がある。「仮面の女神」は長野県新町泉水遺跡や山梨県後田遺跡の「仮面土偶」と同類型のもの。2017/12/10