内容説明
北海道南西部、噴火湾をのぞむ北黄金の丘で、厚く積みかさなったカキ・ホタテ・ハマグリの貝殻とともに、死者を篤く葬った墓やシカの頭骨を祀った儀礼の跡が見つかった。環境の変化のなかで多様な食料資源を利用し、自然に祈りを捧げた縄文人のこころにせまる。
目次
第1章 縄文の風吹く丘(噴火湾と北黄金;縄文の丘での出会い;伊達高校郷土研究部;北黄金貝塚の発掘)
第2章 移りゆく貝塚を追う(縄文海進と海退;自然とともに生きる)
第3章 縄文人のこころに迫る(なぜ貝塚に墓があるのか;人骨が語るもの;動物儀礼;水場の祭祀)
第4章 縄文人の暮らしに迫る(縄文人の食卓;祭祀と贈り合い;小さな集落)
第5章 北黄金貝塚のこれから(市民参加の公園;市民学としての考古学)
著者等紹介
青野友哉[アオノトモヤ]
1972年北海道小樽市生まれ。明治大学文学部史学地理学科卒業。北海道大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。現在、伊達市噴火湾文化研究所学芸員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いくら丼
4
北黄金貝塚公園のお土産その3。とっても面白かった! 北黄金の持ち味でもある水場の祭祀場遺構を、実際に発掘する現場にいた研究者が書いている。出会いから自身の体験を主観的に盛り込むので臨場感があるし、発掘研究の始まりから今の姿までのドラマも奥が深い。私は北黄金の熱意溢れる展示やイベントのスタンスが大好きだが、それは市民の積極的な参加があってこそとひしひしと身に沁みた。復元住居では内部に焚き火の跡があったのを覚えている。毎年小中学生が縄文キャンプで寝泊まりしている跡だったらしい。感動しかない。やっぱり大好きだ。2023/06/17
えひめみかん
1
おりにつけて訪れている遺跡。きちんと読んで学ぶと印象違いますね。また行きたい。2017/01/05