内容説明
若者はたった一人、ゲームプレイだけを目的にゲームセンターにいるわけではない。そこにはハンドルネームを介して得点を競い合い、観客を前に自分の技を魅せ、コミュニケーション・ノートを通じて「会話」する他者の存在がある。
目次
序章 ゲームセンターの若者たち
第1章 ゲームセンターへの視線
第2章 ゲームセンター文化の生成
第3章 コミュニケーション・ノート
第4章 イラスト・ノート
第5章 快適な居場所とするための戦略
第6章 伝言・掲示板
終章 新たな若者文化のきざし
補論1 女子中高生の日常写真ブーム
補論2 プリクラを消費する少女たち
著者等紹介
加藤裕康[カトウヒロヤス]
1972年生まれ。東京経済大学大学院コミュニケーション学研究科コミュニケーション学専攻博士課程修了、博士(コミュニケーション学)。現在、大学非常勤講師(東京経済大学、関東学院大学、神戸親和女子大学)。専門領域はコミュニケーション論、文化社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
takka@ゲーム×読書×映画×音楽
10
この本は、アーケードゲームの紹介ではなく、タイトル通り「ゲームセンターの文化」に焦点を当てた内容。コミュニケーション・ノートや掲示板、プリクラといった、ゲームセンターならではの交流の形が丁寧に描かれている。ゲームセンターは長らく斜陽産業と言われ続けているが、その背景には、コミュニケーションの場がSNSなどのネット空間へと大きく移り変わった影響が大きいように感じる。そんな中、ゲームセンターは「現実空間での学校や会社以外の居場所」の一つとして機能してきた点に、改めて大きな価値があると読みながら強く実感。2026/04/11
センケイ (線形)
9
読む前の予想以上に、受け皿になっていることが痛感される。設置されていたノートは、SNS なき当時としてはテキストでやりとりできる貴重な基盤だったことだろう。いや、テキストから入ってなめらかにリアルへと繋がることの出来るコミュニケーション方法は、今なおあって然るべきメディアなのかもしれない。もちろん、受け皿は最初からあったのではなく、多くの立場同士のせめぎ合いの中からバランスをとって生まれてきたようだ。興味として惹かれるだけでなく、良質な「場」のあり方のヒントを得た気持ちだ。2021/01/31
オズ
5
「コミュニケーション」が主なテーマで、ゲーセンのノートと、プリクラについての割合が多い。博士論文ベースということで文章はやや堅め。ネット普及前やスマートフォン普及前の時代の考察のため、アナログ感が強い。非ゲーマー著者によるものなので、ゲーマーが読むと肩透かしを喰らうかもしれない。2023/09/02
MasakiZACKY
2
ゲームセンターという空間の役割とその変遷について、多くのフィールドワークと社会学的理論を通して考察した一冊。テーブル型筐体からL字型筐体への変化、魅せるプレイへの変化、プリクラの役割等について述べてはいるが、ほとんどはコミュニケーションノートとイラストノートや掲示板の話。ゲーセンにおけるコミュニケーション媒体として考察する価値はあるが、重きを置き過ぎか。ゲーセンにおける立場は余りに狭い。もっとゲーム機や客層の変化に言及してほしかった。それは他の本でどうぞと言うことか。だとすればこのタイトルは如何なものか。2012/08/05
GEO(ジオ)
2
読了。ゲームセンター、およびその周囲を巡る背景をコミュニケーションを中心に描いた内容。ビデオゲームやコミュニケーションノートのみならず、補論として、プリクラ文化を扱っていたり、ゲームセンターに置かれた掲示板が持つ意味や、それらを通じてゲームセンターの運営側と客側との権力構造を理解する試みはすばらしい。商売において、「お客様は神様」は商売をする側が持つべき心得に過ぎず、実際は、店舗側と客側は対等な関係にあるのだ。2011/04/08




