内容説明
瀬戸内海の小さな無人島に残された古墳群と浜辺に散乱するおびただしい量の師楽式土器は何を語るのか。学生や教員、地元の人びとと共に行なわれた発掘をとおして、古墳を造ったのは貴族でも豪族でもなく、営々と土器で塩を作っていた塩民であったことを描き出す。
目次
第1章 喜兵衛島の謎(無人島の古墳群;あんごう島の謎;発掘開始;古墳と師楽式遺跡の関係)
第2章 海辺の遺跡(南東浜の発掘;貝塚の貝層のような土器層;タタキ面(=作業面)の検出
炉址発見
塩民はどこに住んだのか
下層の師楽式土器層
塩民はどのような動物を食べたか
南東浜と三つの浜)
第3章 古墳群と群を離れた古墳(南西浜上方古墳群;群を離れた古墳;喜兵衛島古墳群の主は塩民)
第4章 土器製塩の時代(喜兵衛島の古墳の築造時期と性格;師楽式製塩土器の変遷;土器製塩研究の展開)
著者等紹介
近藤義郎[コンドウヨシロウ]
1925年、栃木県足利市生。1949年、京都大学文学部史学科考古学専攻卒業。1950年、岡山大学医学部助手を振り出しに、教育学部・文学部などでの講義と各地での発掘に40年間を送り、1990年、退職。岡山市南東郊外、芥子山麓に寓居し、老熟の仲間と遺跡・古墳を歩き、小文を書いて過ごす。かつて岡山大学教授・岡山の自然を守る会会長・考古学研究会代表・前方後円墳研究会代表を務めた
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ステビア
22
4色で豪華。塩の民。2023/11/27
月をみるもの
15
この時代、穀物よりも保存がきいて重量あたりの価値が高い塩こそが「通貨」だったのではないかという気がする私はじつはサラリーマンなのであった。 https://twitter.com/latina_sama/status/12659781871687065602023/05/19
おらひらお
7
2005年初版。新幹線の中でざっと読むが、この遺跡が古墳時代研究に与えた影響は大きいことがよくわかります。また、課題も多くあり、これらは後進の仕事と言えそうですね。2017/09/06
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