内容説明
重層的な歴史から未来を見すえ現在を構想!国家主義的ナショナリズムを標榜しながら対米従属をひたすら深める現政権の矛盾を鋭くえぐり出す。本書は、政治のあり方にとどまらず、唯一者としての自己と他者との関係を模索する思想の書でもある。
目次
第1部 戦後史の宿痾(安倍政権の問題点;占領初期の政治過程;新憲法の制定過程;占領期安保交渉の前夜;占領期安保交渉の政治過程;一九六〇年安保改定への政治過程)
第2部 吉本隆明論(吉本「歴史」論・素描;吉本隆明における「歴史的構想力」;「現在」から考える歴史論―吉本隆明から三木清へ;私たちは戦争を超えられるか―吉本隆明の戦争論から;吉本親鸞論への問い―宮沢賢治論から)
第3部 情況からの問い(「私」をめぐる現在(一)―現在の「私」とイデオロギー言説の変質
「私」をめぐる現在(二)―固有の「私」から固有の「他者」へ)
第4部 文学と宗教(「現実」と「観念」の相克―小林秀雄と三島由紀夫;石原吉郎の詩魂;甦る金子光晴;キリスト教信仰の思想的可能性―宗派性批判から「隣人愛」へ;ヴェイユとキルケゴールの信仰思想)
著者等紹介
伊藤述史[イトウノブフミ]
1953年、愛媛県生まれ。慶應義塾大学大学院卒業。現在、社会理論学会会長、『社会理論研究』編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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