内容説明
古今東西で描かれてきた時間SFを200作品以上読み解きながら、基本的なアイデアと物語パターンを整理して紹介する。タイム・トラベル、タイム・スリップ、並行世界への跳躍、自己の重複、枝分かれする世界、反復する時間…。作品がもつその独特の時間世界を理解したうえで、諸作品を深く読み込み、時間SFのシニカルさやアイロニーがもつ魅力を抽出する。そして時間SFが、現代の時代感覚に確かな手触りを与える批評性を秘めている事実をあぶりだす。
目次
序章 時間SFと時代の感覚
第1章 ジャンルを俯瞰する
第2章 タイム・パラドクスと決定論的世界
第3章 時間SFとニヒリズム―価値意識の惑乱
第4章 物語論としての時間SF―読みのシニシズム
終章 時間の味わい―感覚的な悦びをもたらすテクスト
著者等紹介
浅見克彦[アサミカツヒコ]
1957年生まれ。和光大学表現学部教授。専攻は社会理論、社会思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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