徳間文庫<br> 伯爵夫人の肖像

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徳間文庫
伯爵夫人の肖像

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  • サイズ 文庫判/ページ数 424p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784198943929
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

大正6年に起こった伯爵夫人の心中事件。新聞記者の広瀬は取材を重ねるうちに、華やかな伯爵家の実情を知ることになる――。男と女が鉄道に飛びこんだ。心中か――新聞記者の広瀬為次郎は特ダネのにおいを嗅ぎつけ現場に向かった。由緒正しき芳村伯爵家の若夫人とお抱え運転手の情死行に新聞のスクープ合戦は過熱。一方、広瀬は取材を重ねるうちに華やかに見える伯爵家の実情と華族社会の頽廃を目の当たりにする……。大正時代、実際に起こったスキャンダルをもとに、運命に翻弄された悲恋の行方を描いた名作。(解説:澤田瞳子)

杉本苑子[スギモトソノコ]
著・文・その他

内容説明

男と女が鉄道に飛びこんだ。心中か―新聞記者の広瀬為次郎は特ダネのにおいを嗅ぎつけ現場に向かった。由緒正しき芳村伯爵家の若夫人とお抱え運転手の情死行に新聞のスクープ合戦は過熱。一方、広瀬は取材を重ねるうちに華やかに見える伯爵家の実情と華族社会の頽廃を目の当たりにする…。大正時代、実際に起こったスキャンダルをもとに、運命に翻弄された悲恋の行方を描いた名作。

著者等紹介

杉本苑子[スギモトソノコ]
1925年東京都生まれ。「燐の譜」で第4回「サンデー毎日」懸賞小説に入選。『孤愁の岸』で直木賞、『滝沢馬琴』で吉川英治文学賞、『穢土荘厳』で女流文学賞を受賞。1987年紫綬褒章、1995年文化功労者、2002年文化勲章、菊池寛賞を受賞。2017年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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優希

53
大正時代、実際に起こったスキャンダルをもとに書かれたそうです。心中事件なので、そこまでの流れはいかにロマンチックかと思いきや、当時の報道記者の生々しさが見られます。この時期の恋愛は自由さがなく、報道はエグいのですね。2021/02/14

エドワード

22
大正6年。千葉から汽車への飛び込み心中の情報が東京朝日新聞社へ入る。女は伯爵家令嬢、男は運転手。スクープを狙って走り出す新聞記者たち。新聞社も和服が大半で、女性記者が紅一点の時代だ。身分を越えた恋、貴族のモラル、今も昔も変わらぬ、スキャンダルへの好奇心。「今日は帝劇、明日は三越」の華族と、電話や内風呂が珍しかった庶民の対比、言葉遣いの威勢良さ、封建的な価値観とデモクラシーの不思議な同居。記者の広瀬の視点から描く大正時代の世相が実に興味深く、最後にシベリア出兵や米騒動など、歴史の流れと合流する点も面白い。2019/05/19

ひまわり*

20
大正時代に実在した心中事件を元にしたお話らしい。心中事件の片方が華族令嬢と知り、新聞記者広瀬が追う視線で話は進む。メールも映像もない時代にとにかくスクープを狙う記者の熱意が黒い。車も少なく、人力車を使って走り回っていた。言葉回しも時代が色濃く出ていて読みにくかった。新鮮で勉強になったし面白かったが、記者のスクープ合戦の熱意に入り込めず半分ほどで挫折。パラパラと流し読みで終了。流し読みの中では、広瀬の奥さまが印象的でした。いつの時代も印象に残るのは女性だ(笑)2023/02/02

Aki

4
なんだろう… 最後まで乗り切れずに読み終わった感じ2018/09/21

はちがみっつ

3
大正5年、伯爵夫人(婿取り)と運転手の電車飛び込み心中事件、主人公はそれを追う新聞記者。 特権階級への妬みもあり、人権などもなく、周囲を取り巻く取材陣の取材合戦をメインに、段々と同情をし、寄り添う形のなる主人公の心境の変化が人間味がありホッとする。世界は戦争の色濃く、果てはほぼ無一文で夫人がなくなるシーンで終わる。庶民から見た華族制度の象徴のような話だった。2023/09/14

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