目次
第1章 光と闇の狭間で―岩井志麻子インタビュー
第2章 光と闇の物語(闇はすぐそこにある―諸星大二郎をめぐって;継承と解放、そして残された課題―一九八〇年代以降児童文学の長篇ファンタジーに見る「闇」 ほか)
第3章 近代文学と闇のファンタジー(呪術的世界に生きた「毒もみのすきな署長さん」に関する考察―毒もみを中心とした宮沢賢治作品における罪のあり方をめぐって;「犬神博士」とその一族―フィクションにおける「犬神」像 ほか)
第4章 ファンタジーの変容(ダークな感情が切り開く世界―桐野夏生『ダーク』論;『キノの旅』と『ブギーポップは笑わない』 ほか)
著者等紹介
一柳廣孝[イチヤナギヒロタカ]
1959年、和歌山県生まれ。横浜国立大学教員。専攻は日本近代文学、日本近代文化史
吉田司雄[ヨシダモリオ]
1957年、東京都生まれ。工学院大学教員。専攻は日本近代文学、文化研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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読書という航海の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
秋庭誠
2
「キノの旅」目当てで図書館からかりたもの。他にも、「ゲゲゲの鬼太郎」「宮沢賢治」「鳥居みゆき」「うみねこのなくころに」など、おおよそ本のタイトルに なるものの評論を集めた本。所々、飛ばしたので、最初からまた読んでみたいな、なんて。 ★★★☆☆(三つ星) 「闇へようこそ」←ボツ2012/10/30
ekura
0
「幻想文学」の後継誌を目指すナイトメア叢書のいわば本道をいく一冊。読み応えあり。特に山田風太郎論と宮沢賢治「毒もみの好きな署長さん」論には考えさせられた。「鳥居みゆき」論が2年寝てしまったのはちょっと残念だけど、かえって時宜を得たかなという気にもなる。2010/11/05
c
0
「ライトノベルスタディーズ」で少し触れられていた、ブギーポップ批判の文章が読みたかったので手に取ったが、それ以外の文章も案外良い。中でも、子供の頃好きだった児童小説「夜の子どもたち」「空色勾玉」に言及している論考を読んだのは初めてだったし、文章の質は兎も角そのことがただ嬉しかったな。「冒険者たち(「ガンバと仲間たち」の原作)」や「少年八犬伝」など、子供の頃の印象的な読書体験が連鎖的に思い出された。或いは「魔の星をつかむ少年」も。「魔の星」は児童小説というより、俺にとって最初の「ライトノベル的体験」だが。2015/06/28
ひめの たろう
0
青弓社7号 2010/08
鳩羽
0
うみねこのなく頃に、ブギーポップ、キノの旅など、気になる辺りだけ拾い読み。児童文学からラノベ、大衆小説まで幅広くファンタジーに書かれる闇の正体に光を当てようとする、評論集。リアルタイムに対象年齢の読者として読んだものは、こう分析されるとどこか「違う」と思ってしまう。光と闇がはっきり別れて対立する関係になる物語は、古典というか古典風になっているようにも思った。2011/01/17