出版社内容情報
ロックに21世紀はあるのか──。あらゆる音楽を呑み込んで混沌としたロックに潜在する、ディアスポラ、マイノリティー、ポスト・コロニアリズムなどの思想的課題を、気鋭の論者10人が考察する。手垢にまみれた音楽評論を喰い破る批評集。
1 ロックは21世紀にも「ロック」なのか――序に代えて 陣野俊史
2 ロックと政治のための覚書 毛利嘉孝
3 離散する声――ブラック・ミュージックの歴史―地政的配置 平井玄
4 ヒップホップにおいて「リアル」とは何か?――“ONLY THE REAL SURVIVE” 酒井隆史
5 レイヴの熱 清野栄一
6 “表現”とは無縁の“創造”――ファンク/ブラック・ミュージック論 石川忠司
7 21世紀のブリティッシュ・ロック 岩本晃市郎
8 ありえなかった「アメリカ」の物語 樋口泰人
9 リズムと「国語」――ポンチャックと近田春夫とフレンチ・ラップの動向について 陣野俊史
10 越境する音楽――中国・台湾の民主化(脱植民地化/脱内戦化)とポップ・カルチャー 小倉虫太郎
11 現代音楽とロックはどのようにしてかかわり合うことができるのか 大里俊晴
内容説明
ロックに21世紀はあるのか―。何度もその死を宣告されながら、さまざまな新しい音楽やムーヴメントを呑み込み、20世紀最大の芸術潮流を築いたロックは、テクノロジーの発達にともなって引用・解体・再構築を繰り返し、クロスオーバー化/細分化が進行することで中心軸を失い、混沌とした状況にある。ロックの未来を照射するために、テクノ、ヒップホップ、ファンク、ジャズ、アジアン・ポップスまでを射程に入れ、国境を超え時代的な拘束を解き放った地点に立って、多様な思想的課題を雑多な生命体=ロックの問題としてとらえ返す。手垢にまみれた音楽評論を喰い破る批評集。
目次
ロックは21世紀にも「ロック」なのか―序に代えて
ロックと政治のための覚書
離散する声―ブラック・ミュージックの歴史‐地政的配置
ヒップホップにおいて「リアル」とは何か?―“ONLY THE REAL SURVIVE”
レイヴの熱
“表現”とは無縁の“創造”―ファンク/ブラック・ミュージック論
21世紀のブリティッシュ・ロック
ありえなかった「アメリカ」の物語〔ほか〕
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