出版社内容情報
誕生から35年をへて錯綜するロック・イメージを、アウトサイド、アート、エンターテインメントの3つの指標で解析。そこに仮託された超越・反抗・逸脱の感覚の社会的構造を検証し、ある種のコンプレックスを背負って展開してきた日本のロック受容史をたどる。
序
第1章 ロックミュージック文化の三つの指標
1 〈アウトサイド〉指標
2 〈アート〉指標
3 〈エンターテイメント〉指標
第2章 ロック〈場〉の理論
1 ロックをめぐる〈場〉の形成
2 ロック〈場〉の力学
第3章 ロック〈場〉の展開
1 成熟し洗練化するロック
2 パンク・ロックの主張
3 ポップ化するロック
4 ポピュラー音楽への拡張
第4章 日本のロック──六〇年代
1 音楽サブカルチャーの台頭
2 ロックかフォークか
3 日本のロックの指標
第5章 日本のロック──七〇年代
1 ロックの困難
2 歌謡曲のフィールド
第6章 日本のロック──八○年代
1 インディーズ
2 記号化・ファッション化
3 バンド・ブーム
終章 日本のロック──九〇年代
1 ロック亡きあと
2 一九九五年以降
あとがき
内容説明
ロックを成立させ、ロックであることを決定づける価値観の体系―支配圏・中央圏を否定する“アウトサイド”指標、純粋芸術に挑戦しつづける“アート”指標、ポピュラリティを獲得していく“エンターテイメント”指標―この三指標は、時代的背景である対抗文化との相互依存関係のなかで生み出され、相互に絡み合いながら継承されてきた。それは、演奏者が自己をロック・ミュージシャンと強烈に自負するとき、聴衆がロックを受容すると意識するとき、「ロックとして卓越した存在になること」を証明する原理なのである。三指標が文化的正統性をめぐって牽引しあいながら築くトライアングル=ロック“場”に入り込み、ロックに仮託された超越・反抗・逸脱の感覚と心性の社会的構造を検証する。
目次
第1章 ロックミュージック文化の三つの指標
第2章 ロック“場”の理論
第3章 ロック“場”の展開
第4章 日本のロック―六〇年代
第5章 日本のロック―七〇年代
第6章 日本のロック―八〇年代
終章 日本のロック―九〇年代
著者等紹介
南田勝也[ミナミダカツヤ]
1967年、兵庫県尼崎市生まれ。1992年、千葉大学文学部卒業。現在、関西大学大学院社会学研究科博士課程後期課程在学中。専攻は社会学
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