出版社内容情報
人のあるところ盗みあり──ルパン対五右衛門、中国の死骸を使う恐喝、スリの生態と道徳、日本の作物盗み、ヨーロッパの骨泥棒などをエピソードもたっぷりに考察し、盗みも確たる文化現象であることを明示する。
1 盗みの美学 野内良三
(1)盗みの人間的側面
(2)盗みと文化
(3)盗賊・怪盗・義賊
(4)悪のヒーローの条件
(5)盗人にも……
(6)アンドロギヌスのあやかし
(7)「小僧」づくし
(8)鼠小僧神話
(9)鼠小僧の真実
(10)フランスの怪盗
(11)ヴィドックの影
(12)ヒョウタンからルパン
(13)ルパンのプロフィル
(14)ルパン対ホームズ
(15)フェミニスト・ルパン
(16)ルパンの美学
(17)ルパンの変貌
2 死骸の恐喝 中国近世の図頼 三木 聰
(1)落語「らくだ」の世界
(2)図頼とは何か
(3)習俗としての図頼
(4)『点石斎画報』「ちょうでん」の世界
(5)図頼の心性――悲嘆と覚醒
(6)威逼には図頼を
(7)死を選択する人々と死骸を擡ぐ人々
3 泥棒の道徳 村井和彦
(1)盗みは悪いこと?
(2)モーセの十戒
(3)拝借すればいいのだ
(4)英語の「盗む」
(5)人間の行為はすべて……
(6)スリ団の暗躍
(7)大阪のスリ
(8)ロンドンのスリ
(8)モンテ・カッシーノ
(9)骨、売るべからず
(10)犯行の記録
(11)記録の書き方
(12)盗みの効用
あとがき
内容説明
人のあるところ盗みあり。ルパン対五右衛門、中国の死骸による恐喝、スリの生態と道徳観、日本の作物盗み、ヨーロッパの骨泥棒などを考察し、文化現象としての盗みを省察する。
目次
第1章 盗みの美学
第2章 死骸の恐喝中国近世の図頼
第3章 泥棒の道徳
第4章 作物盗みのフォークロア
第5章 骨泥棒