出版社内容情報
19世紀近代の根源史としての意味をもつヴァーグナーの「綜合芸術」作品。その弁証法的世界を読み解きながら、魔術的「陶酔」の彼方にある批判的・反省的な「覚醒」の可能性を提示する──ヴァーグナーから読み解く近代の文脈。
Ⅰ 序にかえて
Ⅱ ヴァーグナーの問題状況――神話・近代・革命
1 ヴァーグナーの神話作用
2 「革命」の概念をめぐって
3 神話・近代・革命の絡み合い
Ⅲ ヴァーグナーの「綜合芸術作品」の構想
はじめに
第1章 「革命」から綜合芸術作品への途上
1 パリのヴァーグナーと「革命」への志向
2 「ヴィーベルンゲン。伝説に発した世界史」をめぐって
(1)伝説に発した世界史
(2)史劇から神話へ
3 「芸術と革命」について
(1)芸術史の構想
(2)近代批判の構図
第2章 綜合芸術作品の理念と現実
1 『未来の芸術作品』と『オペラとドラマ』について
(1)ヘーゲルからヘーゲル左派ヘ――フォイエルバッハの位相
A ヘーゲル批判の開始
B ヘーゲル哲学の可能性の射程
C ヘーゲル批判の二つの方向
D フォイエルバッハの思想
E フォイエルバッハと時代状況
(2)『未来の芸術作品』について
A 「人間と芸術一般」
B 「芸術的人間とそこから直接的に派公としてのローゲ
(5)『指環』における音楽の構造――いくつかの場面を例にとって
A 『ラインの黄金』序奏から第一場にかけての場面
B 『ヴァルキューレ』第二幕第二場のヴォータンとブリュンヒルデの場面
C 『ジークフリート』第三幕第三場の場面
D 『神々の黄昏』第三幕「ジークフリートの葬送行進曲」の音楽
おわりに
Ⅳ ヴァーグナー問題の構図
1 「ニーチェ対ヴァーグナー」問題をめぐって
(1)傾倒から批判への岐路
(2)ロマン主義との訣別――ルサンチマンの彼岸ヘ
(3)ニーチェのヴァーグナー批判の要諦
(4)「もう一人のヴァーグナー」としてのニーチェ
2 アドルノのヴァーグナー認識とヴァーグナー以降の音楽的思考
(1)はじめに――ボードレールの「モデルニテ」概念
A モデルニテ
B ボードレールのヴァーグナー像
C 「過去」と「今」の弁証法
(2)アドルノのヴァーグナー認識について
A 微視的(ミクロローギッシュ)な視点
B 美的仮象について
C
内容説明
十九世紀近代の根源史としての意味をもつヴァーグナーの「綜合芸術」作品。その弁証法的世界を読み解きながら、魔術的「陶酔」の彼方にある批判的・反省的な「覚醒」の可能性を提示する。
目次
ヴァーグナーの問題状況―神話・近代・革命(ヴァーグナーの神話作用;「革命」の概念をめぐって;神話・近代・革命の絡み合い)
ヴァーグナーの「綜合芸術作品」の構想(「革命」から綜合芸術作品への途上;綜合芸術作品の理念と現実)
ヴァーグナー問題の構図(「ニーチェ対ヴァーグナー」問題をめぐって;アドルノのヴァーグナー認識とヴァーグナー以降の音楽的思考)
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