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出版社内容情報
【近代浪漫派文庫27 佐藤春夫】
収録作品
・殉情詩集
・和奈佐少女物語
・車塵集
・西班牙犬の家
・窓展く
・F・O・U
・のんしやらん記録
・鴨長明
・秦淮画舫納涼記
・別れざる妻に与ふる書
・幽香嬰女伝
・小説 シャガール展を見る
・あさましや漫筆
・恋し鳥の記
・三十一文字といふ形式の生命
【新学社近代浪漫派文庫】
刊行のことば
文芸の変質と近年の文芸書出版の不振は、出版界のみならず、多くの人たちの夙に認めるところであろう。そうした状況にも拘らず、先に『保田與重朗文庫』(全三十二冊)を送り出した小社は、日本の文芸に敬意と愛情を懐き、その系譜を信じる確かな読書人の存在を確認することができた。
その結果に励まされて、専ら時代に追従し、徒らに新奇を追うごとき文芸ジャーナリズムから一歩距離をおいた新しい文芸書シリーズの刊行を小社は思い立った。即ち、狭義の文学史や文壇に捉われることなく、浪漫的心性に富んだ近代の文学者・芸術家を選んで四十二冊とし、小説、詩歌、エッセイなど、それぞれの作家精神を窺うにたる作品を文庫本という小宇宙に収めるものである。
以って近代日本が生んだ文芸精神の一系譜を伝え得る、類例のない出版活動と信じる。
新学社
近代浪漫派文庫 全四十二冊
1.維新草莽詩文集
2.富岡鉄斎/大田垣蓮月
3.西郷隆盛/乃木希典
4.内村鑑三/岡倉天心
5.徳富蘇峰/黒岩涙香
6.幸田露伴
7.正岡子規/高浜虚子
8.北村透谷/高山樗牛
9.宮崎滔天
10.樋口一葉/一宮操子
11.島崎藤村
12.土井晩翠/上田敏
13.与謝野鉄幹/与謝野晶子
14.登張竹風/生田長江
15.蒲原有明/薄田泣菫
16.柳田国男
17.伊藤左千夫/佐佐木信綱
18.山田孝雄/新村出
19.島木赤彦/斎藤茂吉
20.北原白秋/吉井勇
21.萩原朔太郎
22.前田普羅/原石鼎
23.大手拓次/佐藤惣之助
24.折口信夫
25.宮沢賢治/早川孝太郎
26.岡本かの子/上村松園
27.佐藤春夫
28.河井寛次郎/棟方志功
29.大木惇夫/蔵原伸二郎
30.中河与一/横光利一
31.尾﨑士郎/中谷孝雄
32.川端康成
33.「日本浪曼派」集
34.立原道造/津村信夫
35.蓮田善明/伊東静雄
36.大東亜戦争詩文集
37.岡潔/胡蘭成
38.小林秀雄
39.前川佐美雄/清水比庵
40.太宰治/檀一雄
41.今東光/五味康祐
42.三島由紀夫
著者等紹介
佐藤春夫[サトウハルオ]
明治25年、和歌山県に生れる。詩歌に親しむ少年時を送るうちに生田長江を識り、やがて上京して長江に師事するとともに、与謝野寛、晶子の新詩社に入り、また慶大予科に学んだ。大正6年に「西班牙犬の家」を発表の後、出世作「田園の憂鬱」で小説家として認められる一方、同10年に刊行の「殉情詩集」によって一躍抒情詩人の名を馳せ、「退屈読本」における明敏な批評家としての貌と併せて、大正期の文学を代表する存在となる。昭和に入ると、中国名媛の訳詩集「車塵集」があり、法然上人を描く「掬水譚」で歴史小説をこころみ、戦後は与謝野晶子の伝を小説「晶子曼陀羅」に作る等、纒綿として豊かな詩情を根柢にして、古典の骨格を護りつつ、洗練された近代的な感覚と機智に溢れる多彩な作品を通して、日本文学の卓れた一造型を示した。昭和35年に文化勲章を受章し、門弟三千人を謳われたほどに文壇に重きをなした。昭和39年歿
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