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著者等紹介
幸田露伴[コウダロハン]
慶応3年、江戸に生れる。中学校の学業を中途で廃し、図書館で諸書を渉猟し、あるいは漢学の私塾に学んだのを素地に小説の作をなすようになり、明治22年「風流仏」で文名を揚げた後、同24年の「五重塔」が名作を謳われ、京都帝大講師をつとめた時期を挟んで、材を中国の歴史に求めた「運命」を大正8年に著したのを端緒に「蒲生氏郷」「為朝」等、一連の史伝を発表する。人間への関心の赴くところ、その観察の妙味は、同14年の「観画談」にも見られたのをさらに深め、円熟して壮麗な筆は、昭和13年「幻談」、翌14年「雪たゝき」の幽玄な世界を描出するに至ったが、小説家というには文人としての輪郭の巨きさを示した諸他の著述のなかでも、早く大正の頃から書かれた芭蕉の「七部集」の評釈は、俳諧についての識見と、また学殖の程を語って余蘊ない。昭和14年、第一回の文化勲章を受章し、「七部集」評釈の業を畢えた同22年に歿する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ダイキ
3
大学図書館。クレーの表紙絵は『砂地の向こうの海』 近代浪漫派文庫はなんと言っても保田與重郎が著作中に取り上げた作品が多く収録されているのが有り難いです。幸田露伴の名を連ねる文学全集は数多あれど、抄録とはいえ、『評釈炭俵』が読める物は他にないでしょう。これは保田が七部集の中でも、殊に「炭俵」を尊重している由を著作中に遺しているために収録されたのだと思います。『観画談』は『日本の文学史』の中で、この作品がなければ谷崎潤一郎の『蘆刈』は生まれなかったとし、前者が神仙の世界なら、後者は狐狸の世界と評しています。2016/06/03
mashi
0
五重塔の勢いにはグルーヴ感がありますね。焼失したのは惜しい。凌雲閣と並んで健在なところを見たかった2021/03/03
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