内容説明
本書の研究テーマについて、著者は単に外国の理論を輸入し、日本で追試するということだけを目指してはいない。少なくとも、メディアによる現実構成という発想の面では、戦後日本のマスコミュニケーション研究のほうがアメリカより先んじていたのであり、こうした日本の業績と接合させつつ、議題設定をより精緻で、しかも適用範囲の広い理論へと発展させることができないかと思い続け、本書はいわばその中間報告となっている。
目次
1章 議題設定仮説登場の文脈(限定効果論;魔法の弾丸理論の神話;議題設定仮説の提起 ほか)
2章 70年代以降の効果研究―議題設定研究以外の動向(沈黙のらせん仮説;培養仮説;限定効果論の見直し ほか)
3章 議題設定研究の発展(仮説の定義と測定モデル;基本仮説に関する実証研究;測定モデルをめぐる問題 ほか)
4章 日本における議題設定研究1―基本仮説の検証(はじめに;研究のデザイン;メディアと受け手の争点顕出性 ほか)
5章 日本における議題設定研究2―パネル調査による検証(はじめに;研究のデザイン;同日選挙における争点 ほか)
6章 今後の研究課題(争点型議題設定から属性型議題設定へ;メディア議題の規定因の探究;「メディアと政治」のモデルの構築に向けて ほか)
-
- 電子書籍
- うわさの姫子(3) てんとう虫コミックス