内容説明
本書は、総合研究開発機構(NIRA)の委託の下、平成17年から平成18年までの間、社団法人商事法務研究会で開催された「公文書管理法研究会」の成果をまとめたものである。第1部には、研究会の成果物である「『公文書管理法研究会』要綱案―甲案」および「乙案」を若干の解説を付して掲げた上で、両案の違いや各案に掲げられた選択肢の意味等について説明した「要綱案策定のための論点整理」を掲載している。第2部においては、研究会発足の背景と議論の経緯とをまとめた論文と、原案作成作業に参画したワーキング・グループによる、要綱案の細目および研究会の議論についての解説を掲載した。第3部はアメリカ、イギリス、ドイツの公文書法制に関する比較研究であり、第4部は研究会参加メンバーが法制度整備のために重要と思われる論点等について各自の立場から考察・検討した論文からなる。
目次
要綱案作成の経緯と基本的考え方
第1部 「公文書管理法研究会」要綱案について(「公文書管理法研究会」要綱案―甲案;「公文書管理法研究会」要綱案―乙案;要綱案策定のための論点整理)
第2部 公文書管理法要綱案の解説(公文書管理法研究会「要綱案及び論点整理」について―公表にいたる経緯と概要;要綱案のコンメンタール)
第3部 諸外国における公文書管理法制(アメリカにおける公文書の管理と保存;イギリスにおける公文書の管理と保存;ドイツにおける公文書の管理と保存)
第4部 公文書管理に関する諸論点(公文書管理法制の位置付けと課題―他法制との関連と自立;行政文書管理のあり方―ドイツの文書管理構想を参考にして;公文書管理と行政の転換;「分担管理原則」と公文書管理;「記録保存型文書管理」と「意思決定型文書管理」;文書基本法(案)と記録管理院構想―アーキビストの思い)
巻末資料
著者等紹介
高橋滋[タカハシシゲル]
一橋大学大学院法学研究科教授。1981年東京大学法学部卒業。1986年一橋大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。徳島大学専任講師、同助教授、一橋大学法学部助教授を経て、1997年一橋大学法学部教授。一橋大学大学院法学研究科教授(1999年より)。専門は行政法(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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