内容説明
一九〇〇年、十一年ぶりの万博に沸き返るパリ。身に覚えのない窃盗の罪を着せられた若き日のアルセーヌ・ルパンは、己が名誉を守るべく真犯人を捜し出す決心をする。時同じくしてパリを訪れたのは、かの偉大なるシャーロック・ホームズ!怪盗と名探偵が密室から消失した仏像の謎と盗まれたフィルムの行方に迫る。古今東西の名探偵が難事件に挑む、傑作揃いのパスティーシュ集。
著者等紹介
芦辺拓[アシベタク]
1958年大阪府生まれ。同志社大学卒。86年「異類五種」で第2回幻想文学新人賞に佳作入選し、90年には『殺人喜劇の13人』で第1回鮎川哲也賞を受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
66
名探偵博覧会その1。短編集。古典探偵(国内は少なめ)のパスティーシュ。表題作や七つの心を持つ探偵なんかがイイ。2014/09/30
セウテス
59
名探偵博覧会Ⅰタイトルのアルセーヌ・ルパンとシャーロック・ホームズの他、懐かしい名前の並ぶパスティーシュ七作品です。最初はルパンとホームズに、島田荘司を一寸。「大君殺人事件」は、フィロ・ヴァンスの作品をベースに、ヴァン・ドゥーセン教授とネロ・ウルフ、クイーン親子までも。「ホテル・ミカドの殺人」はチャーリー・チャンやサム・スペード、特別出演の誰かも登場します。ミステリーの出来云々は他にやって、素直に懐かしむべき。彼らを知っていると、至る所に仕掛けられたミステリーだけが持つ洒落た世界を、より深く堪能出来ます。2015/11/20
ジュール リブレ
12
ルパン対ホームズのストーリーかと思ったら、いろんな探偵が揃い踏み。着想は面白いけど作品ごとのタッチの違いが気になったかな。2010/10/31
gonta19
10
2007/5/26、住吉のジュンク堂で購入 2010/8/5〜8/9 古今東西の名探偵が登場するパスティーシュ集。 タイトルにもなっているホームズとルパンの共演作は見事。昔、どちらのシリーズも熱心に読んだ人間としては堪えられないものがある。 ほかの作品も明智小五郎やファイロ・バンス、サム・スペードら錚々たるメンバーが登場する。明智小五郎はともかくとして、読んだことのない探偵の作品はちょっとつらかった。2010/08/09
unknown
4
1900年のパリ万国博覧会を舞台にした表題作は、ルパンシリーズを読み込んだ向きにはたまらない内容。ファイロ・ヴァンス、S.F.X.ヴァン・ドーゼン教授、ネロ・ウルフ、そして「あの人」までもが一つの事件に絡んでくるという豪華な内容の「大君殺人事件」も楽しい。「探偵奇譚 空中の賊」における、黒岩涙香の文語体翻訳オマージュの趣向は面白いとは思いつつも、読み辛くて困った。2012/03/16