内容説明
半導体や超伝導といった、一般の人にも比較的知られているキーワードに代表されるように、電気伝導は物性物理学の中で最も派手なアウトプットを有していると同時に、それらの各分野を横断的に横糸で繋ぐ分野でもある。そのため、電気伝導を理解することは、物理学の様々な知識・考え方の集大成のようなものであり、またそこから、種々の新しい概念が生まれたりもしている。したがって、電気伝導について一通り学ぶことによって、物性物理学の歴史、そして現代物性物理学の世界の入口を俯瞰することができるであろう。本書は、オームの法則、半導体、超伝導、量子ホール効果などに加え、非常に注目を浴びていながらも、まだ類書の少ないトポロジカル絶縁体までを、電気伝導という視点で解説した入門書である。
目次
物質の電気伝導とオームの法則
オームの法則の微視的理解
素励起と分散
乱れと電気伝導
電子相関と電気伝導
雑音
電気伝導に関する発展的な話題
付録
著者等紹介
前田京剛[マエダアツタカ]
1958年東京都生まれ。1985年東京大学大学院工学系研究科博士課程中退、東京大学工学部助手。1989年工学博士(東京大学)。1990年東京大学工学部講師。1992年東京大学教養学部助教授。1995年東京大学大学院総合文化研究科助教授。2009年同教授。専門は物性実験やその応用(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。