出版社内容情報
代数的トポロジーの主要な手法のひとつ──基本群と被覆空間を、じっくり丁寧に解き明かす。基本群の定義やその計算方法を、豊富なオリジナルの図とともに解説し、その威力を十分に体感できるようにした。本書の“華”は、被覆空間のガロア理論を通じて、基本群の理論と被覆空間の理論が表裏一体であることに到達し、大団円を迎えることである。
幾何学(位相空間)と代数学(群)という一見異なる分野が結びつき、美しく調和する基本群と被覆空間の世界。本書で、単なる計算や公式を超えた深い洞察を見出し、数学の奥深さを味わってみませんか。
【本書の特徴】
● 本文中で読者が行間を埋める必要があるところにアイコンをつけ、その具体的なやり方を別冊「行間を埋めるために」でウェブ公開した(後日公開予定)。self-contained でスムーズに読み進めることができる。
● 全体のあらすじが見渡せるよう、冒頭に「全体の地図」を設けた。
● 基本群の例や例題を豊富に用意し、具体的な基本群の計算を通じて、抽象的な概念を吸収できるようにした。
● かゆいところに手が届くオリジナルの図版を多数掲載した。
● 関連する話題や数学者の話を「よりみち」や「コラム」で紹介した。
● 節末問題の解答について、丁寧で詳細な解答を巻末に載せた。自習学習に役立ててほしい。
● 数学の専門書でしばしば登場するドイツ文字について「ドイツ文字の一覧」(フラクトゥーア体と筆記体)を見返しに掲載した。
【学びのひろがり】
● 圏と関手の定義にも簡単に触れ、基本群の共変関手性をやさしく解説した。
● 複素関数論とのつながりを「よりみち」の中で紹介した。
● 基本群の誕生と発展のストーリーを、「コラム」の中で描いた。
● 発展的な項目として、写像トーラスやCW複体の基本群を取り上げた。
● ホモトピー論・ホモロジー論への架け橋となる概念として、K(G, 1)空間にも言及した。
● 被覆空間の具体例として、無限巡回被覆空間や極大アーベル被覆空間など、理論的にも応用的にも重要な典型例を丁寧に解説した。
【目次】
1.集合・位相・群:速習コース
2.基本群
3.被覆空間
4.部分空間の基本群
5.基本群の計算(その1)
6.基本群の計算(その2)
7.被覆空間のガロア理論
内容説明
問題の詳細解答を掲載!自習にも最適!手を動かして解いてほしい例題や、証明や計算を見落としそうなところのマーク!ふり返りのマーク→により、復習しやすい構成!式変形の理由がわかるようにマーク!「ポイント」と「まとめ」、理解を助けるための「図」を用意!くり返し解いて確認するためのチェックボックス!「ドイツ文字の一覧」「アルファベットの筆記体・花文字の一覧」を表紙をめくったところに掲載!
目次
1 集合・位相・群:速習コース
2 基本群
3 被覆空間
4 部分空間の基本群
5 基本群の計算(その1)
6 基本群の計算(その2)
7 被覆空間のガロア理論
著者等紹介
古宇田悠哉[コウダユウヤ]
1980年神奈川県生まれ。2007年慶應義塾大学大学院理工学研究科基礎理工学専攻後期博士課程修了。博士(理学)。2008年東京工業大学(現・東京科学大学)大学院理工学研究科特任助教、2009年東北大学大学院理学研究科助教、2014年広島大学大学院理学研究科准教授、2020年広島大学大学院先進理工系科学研究科教授を経て、2023年より慶應義塾大学経済学部教授。専門はトポロジー(低次元多様体、写像類群、特異点論)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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